第16話忘れたいなぁと思っていた頃に現れた彼
彼がアカウントを消してから一ヶ月ちょっとの時間が過ぎていた。
再び、彼はアカウントを変えて、同じ画像で私の前に現れた。
久ぶり?
元気してる?
メールには短い文章が入っていた。
返信をするか迷った。
私は諦めかけていたからだ。
もう、二度と言葉を交わすことがないと思っていたから。
悩む。
また、連絡したら私はこの人からはなれられないと思う。
だけど、私は彼に返信した。
こんばんは
お久しぶりです。
元気ですよ。
元気でしたか?
もう、後戻りはできない。
彼を好きな自分の気持ちに嘘はつけない。
だから、彼が私の前から去るまで、それまでは彼とのやりとりを楽しんでもいいよね。
時間の無駄かもしれないけれど、その間に好きな人ができるかもしれないけれど、今の私は彼とのこの貴重なやり取りが大切なんだ。
だから、この選択は間違いじゃないって、自分で決めたことだから後悔はしない。
そう決めた。
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