Round1

quarter:1

挨拶——千郷視点

「どうぞよろしくお願いします」

 私は深く頭を下げながら上目遣いをした。初出場にして決勝というすごいやつの、相手は——五十嵐深夜さん。対戦カードによると、確か覚の能力者。

 レフェリーの綾香さんは美貌を纏った高校生だ。綾香さんも多分何かの能力者なのだろうが……、なんだコヤツは?

 まあいい、これはボクシングでなくルールなき戦いだ。

 ルールらしきルールといえば、


・相手を殺してはならない。

・勝敗がついたあと仲が悪くなった場合強制的に戦いの記憶は消される


——このあたりだろうか。

 

 でも私は大丈夫、多分1度も引っかかったことはない。


「それでは、スタート!」

 綾香さんの声が飛ぶ。私はまず話し始めた。

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