第36話 書くことでの自己成長

創作を続ける中で、私は「書くこと」が自分自身を成長させてくれるものだと気づきました。書き始めた頃は、「作品を完成させる」という目に見える成果がすべてだと思っていましたが、実際には、創作を通じて得られる学びや自己発見が、自分をより豊かにしてくれていると感じます。書くことは、単なる表現ではなく、自分を成長させる旅でもあるのです。


まず、書くことは私に忍耐力と集中力を教えてくれました。創作には、うまく進まない日もあれば、途中で投げ出したくなる瞬間もあります。それでも一文ずつ言葉を積み上げ、物語を形にしていく過程は、忍耐の連続です。その結果、私は物事に対して粘り強く取り組む姿勢を養うことができました。また、言葉を選び、細部にまで意識を向けることで、集中力が高まり、他のことにも応用できる力が身についたと感じています。


次に、書くことで自分の考えを整理する力が身につきました。物語を構成したり、キャラクターの動機を掘り下げたりするプロセスは、自分の中にある思考をクリアにする作業でもあります。特に、複雑なテーマに挑戦するときは、自分がそのテーマについてどう感じているのか、どんな立場を取るのかを考え抜かなければなりません。その結果、書き終えたときには、物語だけでなく、自分自身についても新しい発見があるのです。


さらに、創作を通じて他人の視点を理解する力も養われました。物語を書くとき、さまざまなキャラクターを生み出し、その人たちの視点で物事を考えなければなりません。それは、自分とは異なる価値観や感情に触れる機会でもあります。この経験を通じて、現実の世界でも他人の立場や感情に対して共感する力が育まれたと感じます。


また、書くことは自己肯定感を高める手助けにもなりました。たとえ小さな文章でも、書き上げた瞬間には達成感を味わうことができます。その積み重ねが、自分の成長を実感させ、「私は書き続けることができる」という自信を与えてくれます。作品の完成は目に見える形での成果であり、それが私の自己肯定感を支えているのです。


そして何よりも、書くことで得られる最大の成長は、自分を深く知ることだと思います。創作は、自分の感情や価値観と向き合う作業です。書いているうちに、自分が何を大切に思っているのか、何に興味を持ち、何を怖れているのかが明らかになります。それは、日常生活の中では見落としてしまう自分の内面を知る貴重な機会です。


書くことを通じて成長するのは、作品だけではなく、自分自身でもあります。言葉を紡ぎ、物語を描くたびに、自分の中に新しい力や視点が生まれるのを感じます。それが、創作を続ける大きな理由であり、楽しみでもあります。


これからも、書くことで自分自身を成長させ、見つめ直す時間を大切にしていきたいと思います。創作の旅は、終わりのない自己発見の旅です。その旅を通じて、もっと自由で豊かな自分を見つけていけることを楽しみにしています。

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