第10話 自分のペースで進む自由
創作には、それぞれのペースがあると思います。早く書き上げる人もいれば、じっくりと時間をかけて言葉を選ぶ人もいます。私自身も、他人と比べて「もっと早く書けるべきだ」と焦ったことが何度もあります。しかし、創作は本来、誰かと競争するものではなく、自分の内側から自然に生まれてくるもの。だからこそ、自分のペースを大切にすることが重要なのです。
一度、周りのペースに合わせようとして無理をして書いたことがありました。しかし、慌てて仕上げた文章には、どこか自分の本音が欠けている気がしました。ゆっくりと書き上げる過程で得られる発見や気づきが削がれてしまい、表面的な表現に感じられたのです。急いで書くことが必ずしも悪いわけではありませんが、私には自分の考えを熟成させながら、少しずつ進むほうが合っていると感じました。
自分のペースで書くという自由は、他人のペースから解放されることでもあります。早く書くことが正解でもなければ、遅く書くことが失敗でもありません。大切なのは、その瞬間に自分が感じていることを、心のペースで素直に表現すること。そうすることで、作品には自分らしさが宿り、より深みが増していくのだと思います。
自分のペースで進む自由を得ると、創作は本来の喜びを取り戻します。焦らず、ゆっくりと、自分にとって心地よいリズムで言葉を紡ぐことで、創作が楽しい時間に変わるのです。他人に合わせることなく、自分の歩幅で進み続けることで、いつか「自分だけの世界」が完成していくと信じています。
創作はマラソンのようなものかもしれません。ゴールを急ぐのではなく、ひとつひとつの言葉を大切にしながら、自分のペースで歩み続ける。それが、自分らしく、自由に創作を続けるための道だと感じています。
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