第260話 ジェイビオ
ジェイビオと呼ばれてる男は鼻を強打したようで、鼻血を出しながら起き上がってきた。
ケバい女の一人が魔法を使っている。きっと回復魔法だろう。
そのお陰か、立ち上がってこちらに向かって歩いてきた。
そして結界をペタペタと触っている。さすがに警戒するようだ。
ボーっと見ていると、今度はおもむろに腰の剣を抜き結界を攻撃しだした。
破るつもりなのかな?
俺には鑑定の能力なんか無いけど、見た感じ無理だと思う。
一生懸命なのだが、顔が鼻血まみれなので哀れだ。
5分程結界を攻撃してたのだが、とうとう諦めた。
と思ったら、今度は少し離れて魔法で攻撃してきた。
炎を飛ばしてくる。ファイヤーアローって感じだろうか?
それも結界に当たって、消えるだけだ。
爆発したりしないのが、結界の凄い所。
吸収している訳でもない。
当たる瞬間に魔法が消滅している感じ。
今度は魔力切れだろうか。
膝を付いて息切れをしている。
さっきとは別のケバい女が何かを飲ませている。
あれは……魔力を回復させるポーションなのかな?
勇者に攻撃される魔王ってこんな気持ちなのだろうか?
とすれば、俺も何か言った方が良いかな?
「ふふふふ、そのような攻撃なぞ通用せぬわ!」とか。
そんな事言ったらヤバいと思うので言わないけど。
しかし、ターン制のゲームみたい。
回復を待ってあげてるんだからね。
って別に戦ってる訳じゃないけど。
一方的に攻撃されてるだけだ。
しかも俺じゃなくて、結界が。
おっ、とうとう攻撃は諦めたみたいだ。
剣を仕舞い、こちらに向けて歩いてくる。
そして俺達にやっと気づいたみたい。
俺の方に走ってきた。
「おい、お前。この見えない壁を解除しろよ」
「は? 何で?」
「用があるんだよ」
「何の用だ?」
「ここの主に用があるんだよ!」
俺が主とか微塵も考えてないらしい。
しかも偉そうな態度。
ペット達が殺気立ち始めるので止めて欲しい。
しかし、偉そうにしているけど、俺から見たら滑稽でしかない。
さっきまでの行動を全部見ているし、なによりも顔が未だに鼻血まみれ。
それにしても、さっきまで問答無用に攻撃してたくせに結界を解除しろって……。
どう考えても害意しかないだろ。
これ見て解除する人なんか居る訳ないぞ?
ま、俺もヒマじゃない。
まだライトを設置するというミッションが残っているのだ。
さっさと相手をして帰ってもらおう。
「俺が主だけど?」
「……お前が?」
「ああ。この家の持ち主、カズマだ。何の用だ?」
「……。ふっ。従魔を連れているからそうだとは思っていた」
あっ、強がった。
髪をかきあげながら言ってるけど、カッコよく無いからね?
顔、血まみれだからね?
「で、用って?」
「まずはこの見えない壁を解除しろ」
「なんでだよ。解除する訳ないだろ?」
「ふっ、俺が怖いのか?」
「あぁ、怖い怖い。怖いから解除しないよ」
「なっ!」
こういう安い挑発に乗るほど、バカじゃないぞ。
それに結界が無くなれば、俺は激弱。怖いのは当たり前。
だから素直に言ってやったのに、こいつは俺が怖くないと言って解除すると思ってたみたいだ。
しかし、本当にコイツ、何しに来たんだろ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます