第225話 七不思議、1と2

ふむ、シロはその噂を知ってるのか。


「私はその村に行った事がありますから」

「行ったのか?! それでゾンビは強かったか?」

「ゾンビ? 主、何の話ですか?」

「えっ? 地下にゾンビが湧く場所があるんじゃないのか?」

「そんな物があったら大問題ですよ」


え~、スポーンがあるんじゃないの?

俺の推理力もまだまだか。


「主、あそこは温泉が湧くのですよ」

「シロ!!」

「な、何でしょうか?」

「いきなり答えを言っちゃダメ! 皆で憶測したりするのが楽しいんだよ!」

「そ、そうでしたか。すみません……」

「いや、判ってくれれば良いんだ。

 で、温泉だって?」

「詳細は聞くんですね……」

「答えは聞いたからね。詳細も聞いておくさ」


な~に、まだ謎は6個もあるんだ。

1つくらい解決しても問題無い。

ん? これ、フラグか?


「村の地下に温水脈があり、地殻変動か何かで出来た亀裂に流れているんです。

 その時に空気が混ざると、音が鳴るんですよ」

「ほうほう。まるで見たみたいに詳しいな」

「見ましたから」

「へ?」

「私も気になったので、掘り返しましたよ」

「か、確認したのか?」

「はい。その際、温泉が地表に出るようになってしまいました。

 その旨をその村の村長に話した所、温泉施設を作るようになりましたね。

 あっ、温泉の権利は譲りましたので。好きな時に来て無料で入って良いそうです」


解決どころか、経済にも貢献してた!

くそ、チート持ちめ!


「君! 次のネタは?!」

「えっ? あっ、はい。

 えっとですね。王都で怪盗が出るんです」

「怪盗?!」

「はい。誰にも知られずに貴族の屋敷に侵入し、壺など高価な芸術品を1~2つほど盗んで行くんです」

「予告とか出すのか?」

「いえ。ただ盗んだ後に『怪盗参上!』と書かれた紙を置いていくそうです」

「被害は1件だけ?」

「いえ、現在で3件ほどだそうです」


ほほう。

これこそ探偵の解決する事件だな。

えっ? 警察の仕事? いやいや、マンガを読んでみろよ。自称探偵が解決するじゃん。

刑事とかが協力を求めてくるんだよ? で一般人を現場に入れるんだ。

どう考えても始末書じゃ済まない話だけど、解決するからOKらしい。

って事で、俺が乗り込んでもOK! 王様に許可取れば問題無し!


「ご主人様ー!」

「ん? クロ? どうした?」

「それ、クロの手柄だよー!」

「なんと?! クロが犯人だったのか?! そんな子に育てた覚えは無いぞ?!」

「違うよー! 本で読んだ事を教えただけー!」

「教えた?! 誰に?!」

「ここの生徒にー!」


ヤベぇ。2つ目もあっけなく解決する!

しかも身内が関わっているとは!

探偵の助手が犯人だった、みたいな事か?!


「どういう事だ? 詳しく説明してくれ」

「うん! なんかね、困ってた子が居たの」

「うん、それで?」

「話を聞いたら屋敷で遊んでたら壺を壊してしまったんだって!」

「……なんとなく先が見えてきた。それで?」

「だから『怪盗を作りあげて、それが盗んだ事にすれば?』って教えてあげたの!」

「……複数の家で起きてる事実は?」

「その子が他の同じ様な事になっている子に教えたんじゃないかなー?」


そういう事か。

で、それが上手く行って怪盗騒ぎになっていると。

そりゃ大事になったら、今更「僕達が壊した物を隠す為にしました」とは言い出せないよな。


解決してしまった……。

だ、大丈夫だ。後5つあるんだ。

全てにうちの子達が遭遇する訳無い。

次! 次に行こう!

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