第216話 視線が痛い!
思わず屋台に突入してしまい、時間を無駄にしてしまった。
いや、美味しかったから良いんだけどさ。
さて、長々とグダグタしてしまったが、やっとダンジョンへ突入だ!
俺の左右にはシロとクロ。
クロの頭にはメガ、俺の肩にはトウが乗っている。
……ダンジョン突入と言うよりも、動物と触れ合っているようにしか見えないのではないだろうか?
他の冒険者の痛い視線を無視しながら、先へと進む。
内部は全然明るく無いんだな。
遠くに少し明かりが見えるが、それは多分他の冒険者によるものだろう。
ここでとうとう俺の活躍する時が来たのだ!
見よ! 我が魔法を!
『ライト』!!
ほんのり明るくなった。
えーと、皆がLEDライトを使っているのに、豆球の電灯を付けた感じ。
くそっ!
魔素を注入すれば良いのか?!
……魔素は使うもんじゃないね。
えっ? 結果?
カメラのストロボが光ったみたいになったよ。
閃光弾だ、あれは。
俺は魔法も上手く使えないのか。
俺、YOEEEEE!
落ち込んでいると、トウが魔法を使ってくれた。
何故かシロのアイテムボックスに入っていた小枝。
それの先にトウの粘液を付けたのだ。
その状態でトウが魔法を使うと、簡易のたいまつが完成した。
明るさは勿論LED並。
詳しく言うなら1500ルーメンくらい。
不思議な事に方向性のある光で、小枝の先の方角だけを照らしている。
これで進みやすくなった。
……悔しくなんかないやい!!
進んで行くと、徐々に明るくなってきた。
どうやら冒険者が戦闘しているようだ。追いついてしまったか。
通路の幅は5mくらいはあるので、邪魔をしないように通り過ぎよう。
チラっと見たが、モンスターはバッタみたいなヤツだった。
虫系か~。
倒したらどうなるんだろ?
ドロップアイテムとか出るのかな?
いや、ダンジョンの性質からすれば、ただのモンスターの死骸が出来るだけか。
冒険者達から離れて50mくらい進んだら、突然シロとクロが走り出した。
えっ?! 俺は置いてけぼりなの?! そりゃ肩にはトウが居るけども。
慌てて走っていくと、そこにはさっき見たバッタの死骸が沢山。
うわ~! デカいな、このバッタ!
クロくらいあるじゃないか。
「え~と、シロ。倒したのか?」
「はい。クロと一緒に倒しました」
「そうか……」
俺の出番は?!
まぁ、戦闘とか出来ないけどさ!
こんなバッタが飛んできたら、速攻で逃げるけども!
「この死骸はどうするんだ?」
「確かこのバッタは価値が無いはずです。
なので放置します」
「放置するの? 良いのか?」
「はい。ダンジョンが吸収するので」
「……俺達は吸収されないのか?」
「生きていると吸収されないそうです」
へ~。上手く出来てるな。
侵入者を倒してくれるモンスターも、死ねばダンジョンの栄養になるのか。
無駄がないね。
それに生きているものまで吸収するのは、誰も入って来なくなるのを防いでいるんだろう。
あっ、そうだ。
「モンスターなら、体内に魔石とか無いの?」
「あるモンスターも居るそうですよ」
「ほほう!」
「それは魔素を体内で保管する為にあるようですね」
「なるほど」
「その点で言えば、主の体内には巨大な魔石がありそうですね」
やめろ! なんか狙われそうじゃないか!
俺の体内に石なんか無いって!
胆石じゃないんだから!
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