第145話 決断する王
「う~む…………、よし! 判った!」
おっ、結論が出たみたいだ。
まぁ、残すにしてもクビにするにしても、俺には関係無いけど。
ただ残す場合は、何か罰を与えてもらいたい。
シロ達に迷惑をかけた訳だしな。
「すまないがカズマ殿、今日はこれで帰らせていただく」
「へっ? 何か要件があったんじゃ?」
「急ぐものでもないし、それはまた後日。
と言っても近い内に来るとは思うが」
「はぁ、そうですか」
「では、失礼する。
おい! 帰るぞ! 用意しろ!」
王様は慌てて帰っていった。
アイツだけは何か文句を言ってたけど、王様が無視して帰り始めたので慌ててついていった。
やれやれ、騒がしかった。
と思ってたらら、2週間後にやってきた。
早いなぁ。
「アレはクビにした」
「早い決断ですね」
「戻ってから最終通告したのだよ。
『団長や他の者の言う事を聞くつもりがあるか』とね。
無理だと言うので、クビにした。
やはりカズマ殿の言う通り、言う事聞かない者は、強くても役に立たないと思ったよ。
問題は他国に渡る事だが」
「それは大丈夫でしょう」
「何故そう思う?」
「あれだけの狂信者だからですよ。
多分ですけど、王様が考えを変えて、迎えに来ると思っているはずです。
そう考えている内は、他国に渡るとか他国に仕えるとかしないでしょう」
「なるほど。
宰相もそう言っておった。ならば大丈夫か」
ああいうタイプは自分に都合の良い方向にしか考えが向かないからな。
誘われたとしても行かないだろう。
「ああ、それに、周囲の国に今回の事を流したら良いですよ」
「それは危険じゃないか?
我が国一の武力を誇る者をクビにしたなどと聞いたら……」
「逆ですよ」
「逆?」
「そんな者をクビにしたなら、誰もが何故と疑問に思うはずです。
そして情報を集めて原因を突き止めるでしょう。
そうすれば、自国に招こうとは考えないでしょうから」
「なるほど。逆手に取る訳だな」
「そうです。それでも雇いたいという国が居たら、引き取ってもらえば良いじゃないですか。
間違いなくそっちの国でも持て余すと思いますよ?」
「そうか?」
「ええ。
はっきり言って、ああいうのは他国に居てもらった方が良いです。
自国に居たら害しかありませんよ。
それに狂信者という事も知られれば、より一層招こうとはしないでしょう。
自国に招いても、仕えてくれるか判らないですし、ヘタすれば暴れられます。
こちらの国が毒だと言って捨てた物を飲んでくれる。ありがたいじゃないですか」
薬になれば良いけどねー。
良くて無害、悪くて猛毒だ。
確率的には、薬になる1%、無害9%、毒80%、猛毒10%、って感じじゃないかな?
強いから損した気にはなるけど、使えないなら意味無い。
あれだよ、ほら、絵が好きで買った小説みたいなもの。
絵は好きだけど、内容がつまらない。
売るのはもったいないな~と思ってしまう。
でも置いておいても読まないし、場所を取るだけ。
そういう時は思い切って売ってしまった方が良い。
意外と後悔しないから。
「で、それを伝えにわざわざ来たんですか?」
「いや、前に言っていた要件で来たのだ」
「ああ、言ってましたね。それでどんなようけ……」
言いかけた時、玄関が騒がしくなった。
何事かと思ったら、王様の従者とアイツがモメていた。
アイツ、クビになったくせに何しに来たんだ?
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