第126話 電話
箱とは言ったが、遠目で見てるのでそう見えただけ。
実際は4畳半くらいの大きさがありそうだ。
そして親切に扉まで作られている。
その中で実験してみろって事らしい。
しかしこれ、空気も通らないんじゃないか?
中で燃やしても大丈夫か?
窒息死や一酸化炭素中毒にならないよな?
その辺は注意してもらおう。
どうやら実験は成功らしく、入っていた学者(?)さんは凄く興奮している。
王様の前じゃ無ければ、走って帰って色々と実験しそうだ。
メガはあっという間に鉛(?)の部屋を土に戻した。
どうやら土の中にある物を集めて作ったっぽい。
見てた学者達は、惜しそうな顔をしている。
やっぱり簡単に作れる物じゃないんだろうな。
メガすげぇ。
さて、発表会も終盤。
今は最後の人が発表している。
シロ達も飽きたらしく、内容にツッコむ事も無い。
それはそれでヒドいと思うけどね。
「これで私の発表は終わります。
一つよろしいでしょうか、陛下」
「うむ。許す。何だ?」
「そちらに居られる賢者殿にも何か発表して頂けないでしょうか?」
ほう、賢者なんか居るのか。
それは俺も気になるな。
……って俺に注目が集まっているんだけど。
も、もしかして俺の事か?
「王様、賢者ってどこに居るんですか?」
「ははは、カズマ殿の事に決まってるだろ」
「ソウデスヨネー」
ちっ、やっぱり俺の事か。
何か発表しろ? 何を? とっさに出てくる訳無いじゃん!
断ろう。うん、そうしよう。
「ほほう、主の言葉を聞きたいとは殊勝な考えですね。
良いでしょう。心して聞きなさい」
シローーーーーーっ!
何を勝手に引き受けてんのさ!
こうなってしまったら、断るのは無理か。
しかしどうしたものか。
何か発表のヒントになるような物は周囲に無いか?
会場だけでなく、家の中からでも良い! 何かヒント!
そして俺の目に止まったのは、PCのスピーカー。
音か。そうだ、音で行こう!
確か意外に知られてなかった気がする!
俺は早速、アイテムボックスの中に入っていた紙でコップを作る。
そう、糸電話の作成だ。
糸は王様に用意してもらった。
よ、よし、覚悟を決めて発表するか。
もし知られてたら、勉強してますねって言って褒めて誤魔化そう。
「皆さんは音はどうして伝わっていくのか知っていますか?」
おっ、皆不思議そうな顔をしている。
これは手応えアリか?
「音は振動です。なので震える物があれば伝わるのですよ。
これは糸電話という物です。魔法道具ではありません。
今この場で作った物です。王様、そうですよね?」
「うむ。私の見ている所で作っていた。材料も普通の物だ」
「では片方を王様がお持ち下さい。
もう片方を遠い所の誰か……」
「私にやらせてください!」
誰だ?って思って振り向いたら、そこには女の子と男の子が居た。
良い格好をしているので、お偉いさんの子供だろうか?
「誰です?」
「私の息子と娘だ」
「えっ?!」
王様の子供かよっ!
じゃあ王子と姫様じゃないか!
声を出したのは、姫様の方か。
「シロ、じゃあ姫様にこれを渡して。それから発表会の場まで運んであげて」
「判りました」
移動してもらった。
シロの魔法で運ばれた事に姫様は大興奮。
興奮ストップ! 糸電話の驚きが無くなっちゃうから!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます