第115話 シロの回。招待編・その3
『シロの回。招待編・その3』
防御魔法には、とても驚かれてしまいました。
このような魔法は無いそうです。
メガは甲羅で魔法を複合出来るので、その過程で作ったそうですが。
こちらの人達はまだ魔法を複合する事を知らないようです。
宰相さんは、これも発表の場で披露したいそうで、兵士に頼んでました。当然メガにも。
メガは私の許可があればと言っていたので、許可しました。
大した問題では無いでしょうし。
……しかし、兵士は何故メガに土下座をしているのでしょうか?
しきりに「感謝します!」と言っていますが。
感謝しているのはコチラなのに、困りますね。
兵士は宰相さんが立たせました。
そして、そのまま任務を告げられました。
その任務は、私達が王都に居る間の護衛。
いえ、すぐに帰りますけど?
えっ? 来た時はいつも?
そうですか。まぁ、今度は主も来るので、護衛はありがたいですね。
「私の名はヒサクと申します」
「私はシロ、こっちは弟のクロ、そして一番下の弟のメガです」
自己紹介もしました。
ヒサクさんですか。よろしくお願いします。
さて、ヒサクさんと一緒に宰相さんに案内され王の元へ来ました。
ヒサクさんはすぐに跪いています。
宰相さんが王に説明していますね。
「あい判った。
ヒサクよ、しっかりと頼むぞ」
「ありがたきお言葉!
この任務、しっかりと果たしたいと思います!」
王よ、言葉はかっこよいですが、クロを撫ぜながらでは威厳がありませんよ?
逆光でもあれば、主と一緒に見たアニメの悪人にも見えます。
「ん? そちらの亀は初めて見るな」
「そうでしたか?
こちらは弟のメガです」
「メガと申します。よろしくお願いします」
「あっ、やっぱり喋るのね……」
「陛下、実は…………」
「な! 新しい魔法だと?!」
おや、先程の説明では言ってなかったのですか?
あぁ、何故一緒にいるのかとだけ説明したのですか。
詳しくは後で言うつもりだったと。
「メガ殿だったね。その魔法はカズマ殿が開発したのか?」
「いえ、私が開発しました。
しかし私は主人によって知性を得たので、ある意味では主人が作ったとも言えます」
「そ、そうか。言われてみれば確かに!
さすがカズマ殿だな!」
主が褒められるのは気分が良いですね。
クロもそれを分かってか、しっぽがブンブンと振れてます。
「ところでシロ殿、まだ発表の場では無いのだが?
あれは1ヶ月も先だぞ? もう来たのか?」
「いいえ。主からの手紙を持ってきました」
「そうなのか。私はてっきりもう参加する気で来たのかと」
「参加はしますよ。主と共にですが」
「………………えっ?」
「どうしました?」
「え~と、カズマ殿も参加するように聞こえたのだが?」
「その通りですが」
「本当か?!」
「ええ。それは手紙に書いてあると思いますよ?」
「あの場所の管理は終わったのか?」
「さあ? それも書いてあると思いますけど」
メガが手紙を渡すと、食い入るように読み始めました。
「な、なるほど。
少しの間は離れても制御出来るようになったとは!
防御魔法もだし、色々と凄いな!」
「主ですから」
「はははは、確かに!!」
主に不可能はありませんよ?
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