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  • 第186話への応援コメント

    このたびは、ウチらの自主企画にご参加いただき、
    そして『fragile』という作品をお預けいただき、ほんまにありがとうございます。

    186話という長編を最後まで書き切られた熱量と継続力、
    まずはそれ自体に大きな拍手を送りたいです。

    【中辛での講評】
    ■ 総評

    『fragile』は、
    「愛しているからこそ、踏み込めない」
    「前に進みたいのに、想いが足を引き止める」
    そんな矛盾した感情を、とても誠実に描いた恋愛作品やと感じました。

    派手な展開で引っ張るタイプではなく、
    登場人物それぞれの心情を積み重ねて、
    読者にじわじわと痛みを伝えてくる物語やね。

    ■ 物語の展開やメッセージ

    亡き恋人・佑里、その妹である彩加、そして現在の恋人・杏奈。
    この三角構造が最初から最後までブレへんのが、本作の一番の強みやと思います。

    特に印象的やったのは、
    「誰も悪者ではないのに、誰もが苦しい」
    という状況を、安易に崩さなかった点。

    ただ一点、中辛として言うなら、
    中盤では感情の停滞がやや長く、
    「分かってる、この苦しさは分かってる……」と
    読者側が先を見通せる時間も続きました。

    この部分を少し整理できると、
    物語のテンポと没入感はさらに上がると思います。

    ■ キャラクター

    彩加の描写は本当に丁寧で、
    自己犠牲的で優しくて、それでも想いを断ち切れない姿には
    強く感情移入させられました。

    一方で、克樹は
    「誠実であるがゆえに残酷」
    という難しい立ち位置のキャラクターで、
    その葛藤は伝わる分、読者によってはもどかしさも強く感じるかもしれません。

    杏奈も含め、
    全員がきちんと“自分の事情”を持った人物として描かれている点は、
    恋愛作品としてとても好印象でした。

    ■ 文体と描写

    文体は読みやすく、感情に寄り添うタイプです。
    ただ、心情説明が続く場面では、
    少し言葉が重なりすぎてしまう印象もありました。

    「語る」だけでなく、
    行動・沈黙・視線で感情を見せる場面が増えると、
    さらに余韻が深くなると思います。

    ■ 気になった点(中辛ポイント)

    ・中盤の心情反復がやや長め
    ・感情語彙が似通う場面がある
    ・読者が先の展開を早めに予測できる部分がある

    ただしこれは、
    物語の軸が明確だからこそ見える課題やとも感じました。

    【応援メッセージ】

    『fragile』は、
    「恋愛は人を幸せにするだけのものやない」
    その現実を、真正面から描いた作品やと思います。

    安易に救いを与えず、
    それでも登場人物たちに“前を向く余地”を残した結末は、
    とても誠実でした。

    この作品を最後まで書き切った経験は、
    次の物語で必ず大きな武器になります。

    これからも、
    人の心の弱さや優しさを、作者さんの言葉で描き続けてください。
    応援しています。

    自主企画の参加履歴を『読む承諾』のエビデンスにしています。
    途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、
    この応援を取り消させてもらうことになるので注意してくださいね。

    ユキナ🌶

    作者からの返信

    ユキナ様、本当に丁寧なご批評ありがとうございます。私の1番の課題は心理描写をもっと丁寧に描けるようになる事だと思っています。もっと読者が読みやすい文章を書く事が出来るようにもっと努力して参ります。夏目漱石大先生を始め、川端康成、芥川龍之介先生など、本来ならアマチュア小説家の私など、感想を戴く事が出来ない先生方のコメントまで頂き、本当にありがとうございました。これからも頑張ります。