第5話 冷たいはずの唐揚げ

道の途中で愛をたしかめ

落としてしまった唐揚げ弁当

強がって必死に坂道み揚げてた


いつもの定食メニューから

遠ざかる日々

悲愛の叫びも雑音と言われ

泣いた夜


心の穴が愛た愛手にそっと手を差し出す

ようなその微笑み


あなたを愛する容量が愛てることに

気づけていなかった

おめでとうと呟きながら

こんどは後ろ手で指をクロスした

久しぶりに食べた唐揚げは

少し塩の味がするけど

冷たくてもやっぱり暖かいよ




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