第2話 青木 麗奈
新学期2日目
学校に入るや否や
入口がかなり混雑してるのが見えた
何をしてるんだろうと思ってると
前から早乙女さんと目が合って
人混みを分けてこっちまで来た
「無口ちゃん!おはよう!」
「…おはよう、なにしてるの、これ」
「風紀委員の持ち物チェックだって、噂だとあの人かなり厳しいらしいんだよね」
少し背伸びして見てみるけど
確かに風紀委員の隣に置いてある机には
かなりの量の没収物が見える
化粧道具や、ゲーム機も置いてある
去年こんなことしてた所を見た事なかったけど
私の荷物大丈夫だったよね……?
「もうすぐ無口ちゃんじゃない?」
「早乙女さんは何か没収されたの?」
「あたしは大丈夫だった!」
「化粧道具くらい持ってそうなのに」
「ふっふーん、あたしはそんなの使わなくても美人だからね!」
「それもそうだね」
しれっと私が返答したのに
驚きの表情してる早乙女さんを置いて
風紀委員にバックを渡す
制服のリボンの色を見る限り、先輩なのがわかった
「おはようございます」
「あ、おはよう…ございます」
挨拶だけ済ませて無言でバックの中身を確認し
次は私の服装をチェックする
そしてぱっとようやく目線があった
何故か私の顔を凝視している
「あの……なにかついてます?」
「あ、あぁいや!なんでもない!通っていいぞ!」
よかった、ひっかかるようなものはなかったみたい
と思ってると後ろから誰かが騒いでるのが聞こえた
どうやら不良が抗議してるみたい
「めんどくさいな!通らせろや!」
褐色肌でメイク強めな女が
風紀委員に圧をかけている
私の持ち物をチェックしていた先輩がすぐさま間に入る
「やめなさい!問題を起こすな!」
「なんだとぉ?」
もうすぐに手が出そうな不良ギャル相手に
少しだけ表情が強ばったが先輩はギャルに睨みつける
でも、足が少しだけ震えているのが見えて
私は小さいため息をついて2人に近づき
すぐさま間に割って止めてあげた
「なっ、なんだお前!」
「学校のルールは守るべきですよ」
私をどかそうと肩を掴むが
その手を掴んで離さない
不良はかなり力を入れて私の手を振りほどこうとするけど
私も少しは力に自信がある
そう簡単に振り解けない
「おいそこ!何をしているんだ!」
先生の声がして、不良ギャルは
「フンッ」とそっぽを向いてどこかへ行ってしまった
疲れた、こんな目立つことしたくなかったのに
またやってしまった
昔から、困ってる所を見ると助ける癖がある
だからあまりやらないって決めてたのに
はあ、やってしまったものは仕方ない
先輩の方に振り向いて顔色をうかがうと
凄くキラキラした目で私のことを見ていた
「怪我ありませんか?」と聞くと我に返ったかのような反応をする
「大丈夫だ。あ、ありがとう……えっと……」
「じゃあ、持ち物検査頑張ってください」
「あ、ちょっと待ってくれ!!」
なにかお礼を、とかが面倒くさくて
私はすぐにその場を立ち去る
クラスに今日のことが広まらないことを祈ろう…
「行ってしまった……名前を聞きそびれてしまったな」
「麗奈!大変だったね。大丈夫?」
「まるで王子のようだった……」
「麗奈?」
「どこのクラスなのだろう……2年生なのは確かだが……」
「れーーーいーーーなーーー」
「あ、す、すまない!」
「上の空で心の声ダダ漏れだったよ?」
「……忘れてくれ」
「フフっあの子のこと、私探ってみよっか?」
「ほ、本当か!?ありがとう!」
「忘れて欲しいんじゃなかったの?」
「……図ったな」
「大丈夫、私に任せて」
「だがいいのか?君は人見知りのはずじゃ……」
「…それも大丈夫!!!」
「本当に大丈夫なんだろうか……」
【プロフィール】
青木(あおき) 麗奈(れいな)
高校三年生 160センチ 赤紫の1つ結び
責任感が強く生真面目な風紀委員長
何に対しても厳しく指導をするが
何も無ければ誰に対しても平等に接する
風紀委員にしては他の生徒の評価が高いタイプ
主人公に一目惚れをしてからかなり情緒が不安定になる
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