VRMMORPG「XENOLIVE」でノリと勢いだけでランキング一位取ります。
おーばーどーず
Log 001 "XENOLIVE"
◆Log 001 "
夜も更け、PCのモニター越しにみんなの声が響いている。
ディスコードの通話画面にはアイコンが並び、隣にそれぞれの名前。
ミラ
オルカ
トト
スピカ
いつものメンバーだ。
「いやー、明日からやね。"ゼノライヴ"のサービス開始」
私は少し抑えた声で言ったが、その響きには楽しみが隠しきれない。これだけ待ちわびてきたフルダイブのゲーム。ようやく未知の世界が私たちを迎え入れてくれる。
「正味めっちゃ待った。早くやりてぇぇよ!!!」
オルカの声は、朝の静寂に似合わないほど元気だ。時間が時間だからか、余計にそのテンションが目立つ。待ちきれない興奮が、彼の言葉から漏れている。
少し間を置いて、トトが口を挟む。彼も同じく、数日前に公開された公式動画に釘付けだったようだ。
「てか公式の動画見た?グラフィックエグないあれ!!」
「分かる。多分現実より綺麗。」
スピカの声は気だるだが、その中にも興奮が微かに滲んでいる。ゼノライヴの映像美、そして無限に広がる世界。公式の解説動画の一コマ一コマに圧倒されたことを思い出す。
「しかもなんか、プレイヤーごとに反応を変えるNPCがうじゃうじゃ居るらしい。これにはぼっちもニッコリ。」
頭の中にイメージが浮かんでくる。まるで生きているかのようなNPCたちに囲まれ、リアルと見紛うほどの仮想空間。どれほどの没入感を与えてくれるのだろうか。
「しかも広大すぎるワールド、それはもうほぼ現実やん。」
私は半ば独り言のように呟いた。言葉にしなければ、そのスケールが信じられないほどだった。
「とりあえず、ランキング機能があるらしいから一位取っちゃう?」
オルカが冗談めかして言う。けれど、その声にはどこか本気の響きが混ざっている。私も心の中でうなずく。ゼノライヴの世界、せっかくならてっぺんを目指したい。
「ありよりのあり」
自然と返事が口から出た。トトがそれに反応し、少し現実的な視点で話し出す。
「いやー、それは結構ムズくねぇか?世界一位って事だぞ。」
その通りかもしれない。けれど、オルカは楽観的に笑って返す。彼の軽い調子に、私も少し苦笑いが漏れる。挑戦が始まる高揚感が、胸の奥で静かに熱を持ち始めていた。
「まぁ、余裕のよっちゃんイカでしょ。ま、色々考えるのは明日!俺は寝るから!」
オルカの声にはほんの少し疲れが滲んでいる。モニターの向こうで、皆のアイコンが眠気に支配されていくのが見える気がした。
「流石に眠い...朝の四時やし...」
スピカもあくび混じりに言う。私はそれに頷きながら、そっと溜息をつく。今日はここまでだ。
「それもそうやね。今日は一旦解散か」
オルカが最後に別れの言葉を投げかける。
「じゃ、次はゲーム内で!おやしみ。」
通話が切れる。私はPCのモニターを見つめ、深呼吸を一つする。胸が高鳴る。暗闇に浮かぶ明日の光景を思い描きながら、私はそっとシャットダウンのボタンを押した。
“明日が楽しみすぎる…”
ゼノライヴの世界で、何が私たちを待っているのだろうか。期待に満ちた胸の鼓動が、夜の静けさに微かに響いていた。
◆
《ミラ視点》
0時00分、XENOLIVEのサービス開始時刻がやってきた。私はベッドに寝転がり、少し大きめの特殊なVRデバイスを頭に装着し、深呼吸を一つ。電源を入れると、数秒後には視界に「XENOLIVE」とタイトルが浮かび上がる。待ちに待った瞬間だ。
最初に表示されたのは利用規約や注意事項の画面だが、「まぁ読まなくてもええやろ」と、深く考えずに同意ボタンを押して進める。ワクワクしながら設定画面へと進み、まずはプレイヤーネームを決め、細かな初期設定を済ませていく。すると、次にキャラメイクの画面が表示された。
「項目多すぎ...これはこだわっちゃうな...」
さすがにここは重要だ。細かく設定を変えながら、目の形や髪の色、肌の色、そして体型までじっくりと作り込んでいく。結局、30分ほどかけて完成したのは、ショートカットで水色の髪を持つ、小柄なキャラクター。
「結構いい感じになったし、始めるか。」
満足そうに一人呟いて、OKボタンを押す。その瞬間、視界が一瞬真っ白に染まり、次第に新たな景色が目に入ってきた。
やがて、私の視界が落ち着くと、目の前にはファンタジー世界そのものが広がっていた。石畳の道には多くの人が行き交い、商人たちの活気ある声、遠くで響く鍛冶屋の金属音、異国風の建物が立ち並ぶ街並み。そこは、これまで画面越しでしか見たことのない“異世界”だった。
思わず息を呑み、心が高鳴るのを感じる。ついに、ここに来たんだ。私だけの冒険が今、始まろうとしている。
◇
だがしかし、私はふと思った。
「あ、他の奴らのアバターどんなのか聞いてねぇや。」
夢中になってキャラメイクをしていたせいで、みんなのアバターがどんな見た目か確認するのをすっかり忘れていた。異世界にぽつんと降り立ったこの瞬間、広がる人混みの中で仲間を見つけるのはほぼ不可能だろう。私の視界には、現実と見紛うほどリアルな世界が広がっている。あちこちを歩くプレイヤーたち、立ち並ぶ異国情緒ある建物、遠くで響く街の喧騒――。
「これ普通に詰みじゃね?」
焦りの中でふと呟いたそのとき、不意に後ろから目を覆われる。驚きで一瞬体が硬直するも、すぐに聞き覚えのある軽い声が耳元に届いた。
「だーれだ」
耳に馴染んだその声に、心がぱっとほぐれる。間違いない、オルカだ。私はホッとして、手をどけるよう促しながら振り向いた。
「何してんだお前。でも良かった。合流できないかと思ってたぞ!」
振り返った私の前には、見覚えのない姿だけれど、どこかオルカらしさを感じさせるアバターが立っていた。
「いやー、なんかミラが作りそうなアバターが居たからワンチャンに賭けてみたわ。」
その軽いノリに思わずため息が出る。
「それで全く知らない他人だったらどうすんだよ!」
「気まずい空気に耐えてやり過ごす」
オルカは肩をすくめてさらりと言う。その楽天的な返答に苦笑しながらも、こうして再会できた喜びがじんわりと湧き上がってきた。
「無理があるだろ。」
いつもの調子で突っ込みを入れながらも、私は改めて安堵を感じた。
「でも合流できて良かった。だがしかしお前、無断で私の顔触ってきたから通報しとくわ」
私は冗談半分で言うと、オルカが目を丸くした。
「ちょ待てよ。」
ちょっと焦った様子のオルカに、私は笑いを堪えながら返す。
「絶妙に似てないキムタクのモノマネはやめてくれ。地味におもろいから」
彼の困った顔に、つい笑みがこぼれてしまう。オルカはいつもふざけてばかりだけど、そんな軽妙なノリが頼もしくもある。
「今通報してBANされたら俺がこのゲーム初のBANされた奴になるやん!どうしてくれんねん!」
オルカの声に、私はさらに笑いがこみ上げる。
「まぁそれはそれで光栄...」
「なわけねぇだろ!!!」
オルカが少し大げさに声を上げると、私は堪えきれずに笑い出した。二人でふざけあい、冗談を言い合っていると、このファンタジーの街並みが少しずつ自分たちの“冒険の舞台”だと感じられてくる。
「まぁ、冗談なんだけど。」
ようやく私がそう言うと、オルカは「流石にね?」と苦笑いを浮かべる。
ふと気になって、私は辺りを見回した。この街のどこかに、残りのメンバーもいるはずだ。
「で、あの二人はどこ行った?」
私たちは肩を並べ、期待と好奇心で胸を膨らませながら、この新たな冒険に向けて一歩を踏み出した。
──────*******後書き*******──────
読んでいただきありがとうございます。
初めましておーばーどーずです。
どうでしたか?一話目、まだ小説を書くこと自体慣れていなくて語彙力が無かったり文がおかしかったりするかもです。
って事でここのコメント欄にダメな所を言ってください!
まず文自体がダメとか、何話のどの辺がダメなのか
全部ここのコメント欄に書いてください!
大雑把でも細かくでも教えてくれたら大好きです!
この後書きはなんかこの話の感想とか、解説とか?
まぁ言いたいことを言うところです。
文字数稼ぎとかでは無いので許してくださいほんとにまじで。
この作品はまぁ、キャッチコピーにもあるようにノリと勢いで書いてるのでなんも考えてないです。
適当に会話を書き、適当にパロディやネタを入れ。
怒られるかネタが尽きたら終わりのストーリーです
投稿は不定期です、他の作品書くのが嫌になってスランプを治す為に書く作品なので。
まぁ最初なんで後書きは長めになってしまうのは仕方ないんですがまぁ、この辺で終わっときます。
じゃ、また次回も読んでください!
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