第三章 薬殺公爵編
薬殺公爵①
???「やぁやぁ!君がマンダ君かい?公爵殺しの噂はかねがね聞いてるよ!どんな顔しているのか見てみたくて会いに来たんだ!」
1ヶ月の長い長~い船旅を終え数日汽車に乗りこの世界で一番栄えてるラグド市に着いた、お上りさん状態でまたしてもキョロキョロしていた所に突然話しかけられた。
マンダ「ん?俺の事か?そんなに俺ってばいつの間にか有名人になってたんだな」
???「そうさ!君はこのラグド市では世界を救う希望の星としてめちゃくちゃ有名なんだ!」
マンダ「世界を救う!?」
???「君には全ての殺人公爵を殺して貰ってこの世界から公爵の恐怖というのを消し去って欲しいのさ!」
マンダ「まぁ公爵全員殺すつもりだからいいけど、あまり過度な期待はしないでくれよな…ところで君の名前はなんて言うんだ?俺の名前を知っているということは何処かで会った事あるか?」
???「いいや、初対面だよ!それでは自己紹介させて貰おう!僕の名前はメディ、南の三角大陸南西領域を治め、このラグド市を作り発展させた薬殺公爵のメディちゃんとは僕の事さ!」
マンダ「はぁあ!?何で公爵が仲良く人類と喋ってんだ?ちょ待て!ジリジリこっち来んじゃねぇ!」
メディ「ふんふん…なかなかに良い顔してるね!これなら写真付きで新聞に記事を載せても問題無さそうだ!」
マンダ「しゃしん?しゃしんってあれか!?魂が取られるっていうあのやつか!」
メディ「はっはっはっw君はどれだけ文明が遅れているんだいw景色を写すだけの機械に魂を取る機能なんてないさw」
マンダ「文明ったって自分の住んでる大陸が鉤大陸って名前すら知らなかったどころか少し前まで村の周辺しか知らなかったんだぜ、このラグド市に比べたら建物がペチャンコだらけの村だったぜ」
メディ「そうだろうね!このラグド市は僕がめちゃくちゃ手間暇掛けて育てたからね!50m~100mを越えるビルもたくさん建っているんだよ!」
マンダ「はえぇ~ここに住んでる人類は上向きすぎて首が痛くなりそうだな」
メディ「上ばっかり見ているお上りさんは君ぐらいなもんだよ、それに安心してくれよ僕は人類を極力殺したくないのさ、僕が生きるためにヒューマナタイトを摂取しなきゃいけないけど、余命が少ない人類や怪我や病気で安楽死を望む者だけからヒューマナタイトを貰っているのさ」
マンダ「待った!まだ近付くな…それでも人類は殺してるんだろ?」
メディ「そうだね…人類を殺してるね…殺したくないけど僕ら殺人公爵達は死に対してとてつもない恐怖を抱いてるんだ…ヒューマナタイト不足で餓死なんて考えるだけでも恐ろしいんだ…だから死を望んでる人類からしかヒューマナタイトを貰ってないのさ」
マンダ「つまり人類に友好的な殺人公爵ってことか?」
メディ「そうだね!僕は人類が好きなのさ!人類からも好かれたい!だから君の事も好きだし、好きになってもらいたいのさ!」
マンダ「初対面で好き好き言うんじゃねぇよ!」
メディ「大丈夫!君の事は特別好きになれそうな気がするよ!早速僕が作り上げたこのラグド市でデートと洒落込もうじゃないか!鉤大陸にはないスイーツや洋服とか楽しんでみたり、それにビルの上からの夜景なんて絶景なんだよ!」
マンダ「何も大丈夫じゃねぇし、なんでもうデートする前提なんだよ!」
メディ「僕とデートするのがイヤなのかい?」
いや…嫌じゃないけど…めっちゃ可愛いしボブくらいの長さの金髪がサラサラそよいでて綺麗だし身長は少し俺より低いけどスタイルは良いし声も透き通ってて聴きやすい、殺人公爵とは思えない人懐っこさというか無害感というか正直毒を抜かれてしまった…これで実は凶悪な殺人公爵でお前を油断させるためさ!とか言われても一瞬躊躇しちまうな…参ったな…特別好きなんて言われたら好きになりそうじゃねぇか…
マンダ「ま、まぁ…こんな都会に来たのは初めてだから観光としてラグド市を案内してくれっていうので良いのなら…」
メディ「やったぁ♪じゃあ早速クレープ屋さんに行こう!」
はぁ…もうめっちゃ可愛い…ぴょんぴょん跳ねて喜んでる…これって一目惚れかぁ?…しまったな…何かあってももう殺せねぇかもしれない…
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