刺殺公爵②
翌日
門の近くで血塗れになって動けない所を行商人のおっちゃんに見つけてもらって介抱してもらった、他にも数人逃げて生き延びた人達もいたが村人はほぼ殺されたらしい…
行商人のおっちゃん「マンダだけでも生きててくれて良かったさぁ…他のみんなは埋葬してやりたかったけど生きてるお前を優先させてもらったさぁ」
行商人のおっちゃんは申し訳なさそうに喋っている、動けない俺をナリト町まで運んでくれているんだそれだけで御の字だ。
―――――――――――――――――
血塗れになってるのになんか悠長だって?まぁ俺はウーパールーパーの遺伝子を持ってるからな即死じゃなきゃジワジワと完全に回復するんだよ…戦いにおいての強さにはあんまり関係無いがな…
ん?ウーパールーパーが気になるって?そうだなナリト町まで馬車に揺られるだけじゃ間が持たないから俺が行商人のおっちゃんから聞いた話も含めてこの世界について話をしてみようか…
まず500年前に公爵どもがこの世界に降ってきた
そんで人類を殺し回った、その理由は人類の心臓の横に突如として現れた透明な柔らかい石
【ヒューマナタイト】を摂取するため。
そんな石が人類の心臓に生えるわけないって?そんなこと言ったって全人類に漏れなく例外無く必ず公爵が降りてきた時に生えちまったんだからしょうがねぇじゃねぇか
話を続けるぞ…公爵どもはヒューマナタイトを摂取しないと餓死するらしいんだよ、昔13本の光が落ちてきたって話があるが、今公爵どもは12体居るんだよ、つまり1体死んでるんだよ、けど人類が倒した訳じゃない人類に友好的な公爵が居て人類を殺してヒューマナタイトを摂取するのを拒んだんだよ、その結果の餓死さ。
ウーパールーパーはまだかって?今から話す所だよもうちょっと付き合えよ…
そんで人類のヒューマナタイトは個々によって保有量が違うらしいんだよ、それを知ったある1体の公爵が保有量の違いの法則性を見つけたんだ、強い個体程の保有量が多いってな、それは戦闘力だったり生命的な強さだったり、とにかくエネルギッシュな奴が保有量が多いんだよ。
そこでとある公爵が自分の能力を活かして人体実験をし始めたんだよ、それがこの世界の人類以外の生き物と人類を混ぜちまう実験さ、ある人類は犬の遺伝子を注入されたり、他の人類はバッタの遺伝子を注入されたんだよ、結果ほんの少しだけ鼻が利く人類が生まれたり、脚力がちょっとだけ強い人類が生まれたり、実はこの人体実験は外見の方が結構変わっちまうんだ、犬の遺伝子なら手足がもふもふになったりバッタの遺伝子なら異様な程細けど力強い脚とかな、
結果人類のヒューマナタイトの保有量は最大で3倍まで増えた、大半の人類は1.5倍に増えた程度だけどな。
何でこんなに知っているかって?馬車に揺られている俺じゃなくて全て終えた後の俺が書いてるからな、馬車に揺られている俺はまだ殆ど何も知らない小僧さ
そんで世界は500年の時が流れて俺はウーパールーパーの遺伝子は発現した、父ちゃんは熊、母ちゃんは鷹の遺伝子を発現していたけど俺は先祖帰りしてウーパールーパーが発現したんだよ…熊ならカッコ良かったのになぁ…必ずしも両親のどちらかの遺伝子を発現するわけじゃないらしいんだよ、過去500年の系譜の中で混じった遺伝子がランダムに発現するんだってさ…それにしてもウーパールーパーかぁ…俺の外見は首元に目立たない程度のエラと色白なだけそこも地味なんだよなぁ…
即死じゃなきゃ腕とか脚が千切れても生えてくるのは良いけどな、今回みたいな事がなけりゃ気付かなかった能力だったよ、手足貫かれても数分で血が止まって数時間立てば動けるようなっちまったんだから。
まぁお前らの世界で言う亜人類って感じかな、そんな奴らが居るだろ?純粋な人類はこっちの世界にゃもう居なくなったんだよ…えっ?亜人類なんて居ないって?そりゃ羨ましい世界だ!自分達の姿を大切にしろよ!
まぁそんなこんなでナリト町に着きそうだ!それじゃ小僧時代の俺を楽しんでくれや
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