天使と悪魔
悪魔と天使が言い争っていた。
「人間はもとより善行の基に生きているんだ」
「それは嘘だね、人間は全て悪から生まれている」
「いいや、そんなことはない!」
「間違っているのはお前だ!」
天使と悪魔はそれぞれが自分の意見が正しいと主張して平行線となった。
そんな状況に嫌気がさして天使はとある提案をした。
「そうだ、道行く人に話しかけて善行と悪行のどちらがしたいかその理由も聞くとしよう」
天使は善行の方が圧倒的に多いだろうと確信していたため得意げに悪魔に提案した。
すると悪魔は一瞬苦い顔を浮かべたがすぐにその提案を承諾した。
「よし、その条件飲んでやろう。誰にでも聞くがいいさ」
「ようやく負けを認める気になったな」
天使は余裕綽々といった顔で道行く人100人に先ほどの質問をした。
すると、100人中100人が善行をしたいと答えた。
「ほら見ただろ! みんな善行を積みたいんだ。その理由も天国に行けるからだとさ! この勝負は私の勝ちだな!」
そう言い切った天使に向かって悪魔はニヤリと口角を上げた。
「天国へ行きたいと思っているということは、普段の行いでは地獄に行くだろうと確信していることを自白しているだけじゃないか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます