第22話 ロベルタ


 泣くレナータをそのままにして、イヴァとアリーチェのいる拠点に寄ってみる。



「ご主人様!お久しぶりです!ちっともこちらにこられないんだから……」


「すまんな。早速だが、ルチアの母親のことを少し調べてもらえないか。」


「はい。わかりました、ご主人様。」



 アリーチェが俺に体を密着させて口を俺に向ける。


 アリーチェの唇にそっと重ねて、服を一枚ずつ脱がしていく。



「あぁ……ご主人様……」



 その日はイヴァが見守る中、アリーチェとベッドで熱く求めあった。



    ▽



 アリーチェと抱き合って寝ていたが、朝起きると後ろからイヴァが俺の背中に抱き着いてきていた。

 イヴァのケモミミを触るとぴょこぴょこと動かした。



「主、暖かい。」



 イヴァは裸になっていた。


 寝ているアリーチェにキスをして、領主の別棟に転移する。



「お帰りなさいませ、ご主人様。」



 ロベルタはご機嫌ななめなようで頬を膨らませて俺を睨んでいる。朝帰りしたからだろうか。


 少しふくれるロベルタにキスをして一階へ食事を食べに行く。



「今日は領主様に謁見し、魔物討伐の報告に参ります。」

 

「報酬は何を貰えるかなーへへへ」



 オスカルはリナを抱き寄せてのスカートに手を入れいる。


 食事後、レダに先導されて本邸に向かう。



「勇者殿、この度の働き、よくやった。それぞれに褒美を渡す。褒美は各々の部屋に届けさせてもらう。」


「領主様、ありがとうございまーす。何だろう楽しみだなー。」



 跪く俺たちを他所に、立ったままで空気が読めないオスカル。


 別棟の部屋に戻ると騎士がドアで待っていた。



「サトウ殿で間違いないか。」


「はい。」


「領主様より、褒美を預かっている。部屋に入らせていただきたい。」



 騎士は俺の後から部屋に入り、亜空間から書類を取り出し、読みだした。



「サトウ殿、報酬として建物を与える。」


「ありがとうございます。」



 どんな建物なのだろうか。楽しみだ



「こちらは権利書だ。建物まで案内する故着いてまいられよ。」


「はい。」


 そう言う騎士の後をついて部屋を出た。



「サトウ様、建物なんてすごいですね。どんな建物なんでしょう。」



 ロベルタは楽しみでしょうがないようで俺の手を自分の体に擦り付けて歩いている。


 領主の館から10分ほど歩いたところで騎士が門をくぐり、庭の中ほどで立ち止まった。



「こちらが領主様から賜れた建物と土地です。」



 見ると間口100mほどの柵で覆われたところで、二階建ての建物の前には広い庭が広がっている。


 庭は管理が行き届いていて、芝がきれいに刈り揃えられていて、花が至ることころに植えられている。



「サトウ様、綺麗……。こんな素敵なお屋敷いただけるなんてすごいですね。」



 ロベルタは目をキラキラさせて庭を眺めている。


「サトウ殿、引き渡しは以上だ。

 以降はこの建物、敷地を自由にしたまえ。」



「ありがとうございます。騎士様、一つお願いがあります。」


「なんだ。」


「この広い敷地を私一人で管理するのは大変なため、管理するメイドとしてこのロベルタを私にいただけませんでしょうか。」


「わかった。領主様に掛け合ってみよう。」


 俺が礼をすると、騎士は頷き、去っていった。



「サトウ様!私をもらっていただけるんですか!」


「嫌だったか。」


「嫌だなんてことありませんが、こんな私でもいいんですか……」


「ロベルタは素敵な女性だよ。」


「サトウ様、ありがとうございます……私……一生、サトウ様にこの身を捧げます。」


「ロベルタ、ありがとう。」



 大粒の涙を流すロベルタを抱き寄せて、花が風に揺らぐ中で、優しくキスをした。



「サトウ様……」



 しばらくロベルタのふわふわの体を堪能した。


「ロベルタ、建物の中を見ようか。」


「……あ、はい!」


 ロベルタは庭に咲く花を興味深く見ながら、俺についてきた。


 建物の中に入るとガランとして何もない。



「中は何もないんですね。

 ちょっと期待してしまいました。

 ですがとても素晴らしいお屋敷です。」



 ロベルタは騎士と別れてからニヤニヤが止まらない。

 よっぽどこの屋敷が気に入ったのだろう。



「いいさ、これから揃えれば。」


「そうですね。」

 


 二人で中を見て回る。一階にキッチンと大きな食事会ができそうな広間があり、他に6部屋ほどがあった。



「サトウ様!この部屋でお客様を招いてお食事会ができますよ!」


「サトウ様!大型のオーブンがあります!」


「サトウ様!お風呂がありますよ!すごいです!」



 ロベルタは大興奮だ。

 

「ロベルタ、俺の側近を紹介する。アリーチェ、イヴァ。」


「はい、ここに。」


「きゃ!」


「驚かせてしまってすまない。俺の奴隷のアリーチェとイヴァだ。アリーチェは俺の秘書を、イヴァは護衛をしている。」


「まあ、私は秘書なんですね。嬉しい。それならずっとそばにいられますね。」



 何か妄想をしながら体をくねくねさせているアリーチェは放っておこう。



「アリーチェ、ここを管理する方法はどうするのがいいと思う。」


「そうですね。ご主人様は、秘密が多いので契約で情報漏洩を防げる奴隷がいいように思います。」


「そうだな。任せる。」


 アリーチェが先導して街の中心地にある建物に入っていく。



「いらっしゃいませ。」


「執事、メイド、庭師、屋敷の護衛ができる人を見せていただけるかしら。」


「かしこまりました。」



 部屋のソファーに座り待っていると、店主と10人ほどの人が入ってきた。



「私たちは新しく屋敷を入手しました。そこであなた達から何人かを選びたいと思います。一言ずつ自己紹介と自分にできることを紹介してください。」


 全員の話を一通り聞いて相談する。


「私はこの方とこの方、この方、この方がいいと思うけどどう思う?」


「アリーチェさんに賛成です。」


「イヴァは護衛誰がいいと思う?」


「この人とこの人」


 女子会やっているノリだな。

 楽しそうだ。


 メイド3人と庭師1人、護衛3人を買うことになった。

 その後、奴隷の服、日用品を買い、生活できる家具、装飾品をそろえた。

 どれも亜空間収納に入れるだけなので運ぶのが簡単だ。


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