Dear Ficel.Saplay
ファイセルはカバンの中にあったリーリンカの手紙を読み始めた。
――
“
1つはこの手紙を見つけにくい場所に隠しておいた事だ。
この手紙をいつお前が見つけるかはわからない。すぐに気づくかもしれないが、終わった後かもしれない。
ファイセルはここまで手紙を読んでとても
特に
ファイセルは手紙の続きを目で追った。
“2つ目に
これがこの手紙の
前に私が
そんな友人は
こんなこと、他の連中に伝えられるわけがなかった。
お前にだけ伝えたのはほんの少し、ほんの少しリーダーに
かすかな希望のようなものに
しかしこれも運命だと私は
私が我慢すればそれでいい。
もう
しかしお前らと過ごした4年間は一生忘れることはない。
他の連中にもよろしくな。
こんな形で別れを
まぁ私らしいといえば私らしいのだろうな。
じゃあな、元気でやれよ。
――リーリンカ・ウァーレン”
まるで、
ファイセルは
「ファイセルくん。どうしたの
「あ、あの時、あんなに悲しそうな顔をして……必死に
少年は手紙を握りしめてテーブルを強く叩きつけた。
「クソッ!! リーリンカの馬鹿ッ!!」
リーネのビンは大きく
「それなのに、それなのに!! 気づいてあげられないなんて!! くそっ、こんなのって無いよ……謝らなきゃいけないのは僕の方だ……」
ファイセルはすぐに脱力して
オルバは
「おちつきたまえファイセル君。君がそこまで気を乱すとはよっぽどの事だと思う。だが、そういう時だからこそ冷静に対処することが
少年は自分が取り
もどかしい気持ちは
「……その薬をくれた女の子が
しかし、その話を聞くと
彼女はおばあさんにしか何も言葉に出来ないようだった。
オルバの方はと言うとなにか考え込んでいる。
「ライネンテ中央部には娘を売らざるをえないような集落はあっても、
ファイセルはリーリンカの出身地について思い出した。
「確か……ロンカ・ロンカって
オルバは
「ファイセル君、”
「う~ん、最低でも総資産が1200万シエールくらい無いと
オルバはファイセルの考えを聞くと指を振りながら
「チッチッチッ。それは北部とか、西部の話でしょ。東部の
オルバは窓の外に目をやりながら続けた。
「東部では
「はい! ではファイセル君、東部の男性の
ファイセルは地理の授業でやった東部地方についての知識を思い出した。
「えーっと
オルバはうなづいてファイセルを指差した。
「ブリリアント!! つまり、ノダールさえ巻けば現地の
「おまけに
リーリンカは「今月の
賢人は問題ないとうなづいた。
「まだ時間はあるよ。結婚式の準備にも数日かかる。まだ結婚式を挙げてないと見ていいだろう。これでタイムリミットの問題は解決」
オルバはいつもどおりマイペースかつ、テンポ良く、ポンポンと問題を解決していく。
その
「じゃあ次、資金の問題。確かに東部は
師匠の顔が
「こればっかりは相手が大した
彼は
そして
「なんと、
「
「ファイセル君、私には
すぐに弟子は手持ちの資金を数え始めた。
「えっと、まずアクアマリーネが550万シエール……」
オルバは
「今、アクアマリーネそんなにするんだ……国内ではあんまり聞かないけど、海外でスケイルメイルとかシールドを製作するプロジェクトが立ち上がってるんだろうね」
旅の想い出を遡さかのぼるようにコインを積み上げる。
「天然ダム
再び
「ああ、ダム決壊ってあれかぁ。私の
ファイセルは首を縦に振りながら
「90万シエールもありました。あとは
オルバは
「
テーブルの上に
「コフォルさんって人の手伝いでオウガー退治の
オルバも
「また危ないことに首を突っ込んだもんだね。どうせタスクフォースでしょ? オウガーの
思わずファイセルの手が止まった。
「なんで
オルバは肩をすくめて答えた。
「だってさ、
2人は
「え~っと、僕の手持ちの分が200万シエール、銀行に預けてある分を含めると750万シエール。そして師匠から頂いた300万シエールを足すと……1050万シエール!!」
オルバは納得したように深く頷いた。
「う~ん、上出来。これで
ファイセルはオルバが顔を
そして賢人は深刻な顔をして、ロンカ・ロンカへ行く”奥の手”を明かし始めた。
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