告発原文07 2月16日の全貌が見えてくる
ここで、2月16日の110番騒ぎの全貌をまとめてみましょう。
わたくし宅へホケンの集金人と名乗ってあらわれた男は、当初の目的は間違いなく集金でした。応対したときの様子でそう判断できます。ところが、私が男に「いまひとりで家にいる」と告げたとたん、男は急に「しめた」とでも言うように嬉しそうに押し黙りました。この瞬間に、男は犯意を抱いたのです。そして、(かなりあさはかだ考えだと思いますが)チャイムを鳴らしつづければ玄関を開けると思い、執拗にチャイムを押したのです。だが、案に相違して110番されてしまった。それですぐに逃げた。それも遠くへ逃げずに、私の家のとなりの資材置き場の陰に隠れた。
私からの通報を受けた110番センターの係官は、私の住所が「■■」だと聞いてはっと思い当たった。
というのは、妊婦殺人事件の容疑者の住所も「■■」で、容疑者は自宅近くで再犯に及ぶ可能性が、捜査の結果、推測されていた。そこでこの近辺からそれとおぼしき通報が来た場合、妊婦殺人事件担当刑事まで連絡するように、110番係官に対しかねてから通達が出されていたのです。
その通達に従って、係官は、派出所員に直接出動指令を出さず、私からの通報内容を、待機中の妊婦殺人担当刑事に迂回させたのです。連絡を受けた刑事は、好機到来と色めき立った。通報の男は、これまで2年間洗いつづけながら逮捕に踏み切れなかった容疑者である可能性が高い。これまでおとなしくしていたが、ついに再犯に手を染めたか。別件逮捕のまたとないチャンス!
だが通報主旨によると、男は玄関先でチャイムを鳴らしているだけで、まだ逮捕に足るだけの犯行に着手していないようだ。いますぐ現場に急行しても、被害を未然に防ぐ結果になってしまうだけだろう。そこで刑事は、通報を受けてから10分以上時間を待った。10分も待てば、きっと何かをしてくれるに違いない。
そのあとおもむろに、T派出所員に「現場に急行せよ」との指令を出したのです。
派出所員は、妊婦殺人事件の容疑者が特定されているということを、知らされていない。そのため、職務に忠実に人命救助のため、通報現場にいそいで駆けつけた。所要時間は3分と掛からなかったでしょう。
さて警官が現場に来てみると、男は逃げたあとだった。そこで警官は、無線で妊婦殺人担当刑事に指示を仰いだ。刑事は、男がまだ近くに隠れている可能性を考え、何も知らない警官が男を見つけ出してひっとらえては困るので、彼らにすぐに立ち去るように指令した。そして、その代わりに、部下の刑事を現場周辺に張り込ませたのです。
刑事の思惑通り、男は資材置き場に隠れていました。バイクの音で、警官がやってきたことも、すぐに立ち去ったことも、男は知りました。
この間に、男はこう考えたようです。「あの女は、自分をセールスマンと間違えて110番通報したようだ。だから自分が、セールスマンではなく、ボランティア団体の***のメンバーであることをはっきり名乗れば、信用して今度こそ玄関を開けるだろう」。
そこで警官が立ち去ると、ジャンパーを脱ぎ捨て身軽になり準備万端整えて、ふたたびわたくし宅へやってきたのです。かなりあさはかな男です。
ところが、また通報されてしまった。そこですごすごと資材置き場に戻り、ジャンパーを着込むと慌てて自転車で逃げていった。このとき現場に張り込んでいた刑事は、通報の男が、まさに妊婦殺人の容疑者であったことを確認した。
捜査の指揮を担当していた刑事は、男が三度目に現れるのを待ってみたが、こなかった。そこで、制服を着用していた刑事を派出所員に装わせて、警官が遅れたことの虚偽のいいわけを告げに、わたくし宅へ向かわせた。
1度目の通報でT派出所員が来ているのにもかかわらず、「あれは伏屋の所員だった」という奇妙ないいわけです。なるほど遠い伏屋から来たというのなら、急いで駆けつけても確かに15分は掛かるでしょう。
近隣住民だからといって、T交番の警官の顔を見知っているはずはないと、指揮の刑事はタカをくくって・・・。
(注記:この項の記述は、これだけを読んだら単なる憶測に過ぎないと思われる部分が多いと思います。けれども憶測のようにみえる部分も、ちゃんと裏づけが取ってあります。ただその裏づけまで書いていたら、文章が冗長になりすぎるので、割愛させて頂いているのです。)
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