綾乃と亮介 4 その時のきもち case of E

宿羽屋 仁 (すくわや じん)

1st from 亮介 件名 E君との寝取られ

 おはよう、綾乃。


 数ヶ月が経つけど、E君に抱かれた綾乃の姿が脳裏に焼き付いて離れません。もちろん毎回そうだけど、この時はいつにも増して強烈にダメージを喰らってしまいました。俺の表情や言葉でなんとなくわかるとは思うけど、全然綾乃に伝えきれていないというのが正直なところです。


 そこで今回はメールで感想や気持ちを伝えてみようと思い、この文を書き連ねているわけです。うまく書けているかはわからないけど、いつもよりは伝わりやすくなるんじゃないかなと考えています。気軽に読んで、感じてもらえたら嬉しいです。



 まず、キス前の二人について。


 たぶん彼の身長は177か8ぐらいかな。恥じらいながらE君と見つめ合う綾乃を見て、少しただならぬ雰囲気を感じました。ソファーでの二人の会話の時から既に和やかだったから不思議ではないのだけれど。それに、二度見した記憶があります。それって、やっぱり俺の動物的な勘だったんだと今になってわかりました。


「なんか、盗られそう――」


 寝取らせといてそりゃないよね。でも、本気でそう思いました。まだキスする前なのに。



 キスが始まると、もう絶望の淵に移動させられていました。歩いた記憶もないのにおかしいな、そんな感覚です。あなたのお気に入りのT君に雰囲気が似ているからでしょうか、目元だけ見てもはっきりわかる微笑み。見たく無いけど、見たい表情。すごくかわいかったし、すごく辛かったです。


 今振り返ると、ここまでたぶん数分も経っていなかった。そこから先が思いやられるなぁなんて呑気な考えになるわけはなく、喉はカラカラで立ちくらみさえしていました。




 序盤からこんな感じです。貴女はどうでしたか。



 亮介

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