天河と綺羅螺・迷宮はいつもそこにある。
猫野 尻尾
第1話:薄紅 綺羅螺(うすべに きらら)
一応カクヨムコン短編応募用に書いてみたんですけど・・・。
完結とはじまりです。
いつから存在するのか
その橋の名前を「
一見普通の橋に見えるが、その橋は高天原と人間界を繋ぐ結界になっている。
そのことは一般の人には預かり知らぬことだった。
そして高天橋を渡った先の道沿いに古いお屋敷があって、その屋敷の当主の
名前を「
薄紅家の女性は名前がふたつあってひとつは「
もうひとつが「
そして薄紅家の長女「
同時に入学して来た。
僕の名前は「
僕は一目彼女を見てその不思議な魅力に魅入られた。
だから彼女に密かな想いを募らせていた。
でも僕は富裕層の薄紅家とは対照的に貧困層だから
機会すらないと思っていた。
そしたらいきなり
今から思えばそれも綺羅羅の秘めたる力だったのかもしれない。
綺羅螺《きららは椅子に座ると俺に向かって言った。
「
「これからお隣どうしです、お隣どうしのよしみと申しましょうか、あなた様の
お名前をご所望いただけますでしょうか・・・」
「ごしょ、ご所望?」
「お嫌ならけっこうですが・・・」
「あ〜いえいえ、お嫌じゃないです」
「俺の名前は「
「御衣・・・」
「天河様ですね?男性用のオモチャと同じお名前でらっしゃるんですね」
「なに言ってるんですか・・・って言うかそんなことよく知ってますね」
「知りたくなくてもネットなど徘徊しておりましたら何かの折に目に触れる
こともございますゆえ・・・」
(ネットでなに検索してんだ?)
「では満を持して天河様・・・今日からそう呼ばせていただきます」
「ああもこうもございません、この件であなたに拒否権はございませんので」
「ご覧のとおりわたくし、このような個性的なキャラクターですので、お友達が
少ないんですの」
「お隣り同士、本日よりお友達としてよしなにお願いします」
「この件につきましてもあなたに拒否権はございませんので・・・」
「
第一言葉遣いが女子高生じゃないし・・・君はお公家さんか?
そしてある日、
話があるから
今週末「高天橋」のたもとで待ってるから来てくれって?。
え?いったい僕になんの用?
話があるなら学校でもいいだろ?
そりゃ、僕は
ただの学友だろ?
だから
このまま
だけど無視したら、それはレディーに対してとても失礼なことだろう。
だから僕は土曜日学校が休みの日、
その日は幸いにもいい天気で雨が降らなくてよかったと思った。
橋の近くまで行くと橋のたもとでモデルみたいな
シュッとしたスレンダーなスタイルにモスグリーンの制服がよく似合っている。
ただ、綺羅螺は変わった性格だからクラスの連中はあまり彼女に近ずかない。
「あの、
「さっそくだけど僕に用ってなに?学校じゃだめなの?」
「天河様・・・わたくしのわがままにお付き合いくださってありがとうございます」
「はあ・・・・」
「実はわたくし天河様にお願いがありますの」
「僕にお願い?・・・僕だよ?・・・僕になんかに何をお願いしようっての?
「あの・・・よかったら、正式にわたくしとお付き合い願えないかと思いまして」
「あの・・・ごめん・・・もう一回言ってくれる?」
「だから、よかったら、わたくしとお付き合いを・・・」
「・・・・・」
「まじで言ってる?・・・このシュチュエーションって本来逆だと思うんだけど」
「たとえば僕は
「え?・・・天河様、わたくしに告白なさるおつもりだったんですか?」
「あ〜いや、たとえばね・・・たとえば」
(でも、この逆告白って、これって僕にとちゃ棚ぼたじゃん)
「あのさ・・・念のため聞くけど付き合ってって・・・僕なんかのどこがいいの?」
「だいいち君んちと僕んちじゃ貧富の差がありすぎて釣り合いが取れないでしょ」
「わたくしではご不満でしょうか?・・・」
「いやいや不満だなんて思ってない、思ってないよ、絶対思わないし・・・」
「でしたら、わたくしのお願い叶えていただけます?天河様」
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます