詩集「屍の山」

石鎚榛名三里の山

水底からの手紙

黒鉄の城が水底へ沈むとき

彼女は大きな悲鳴を上げる

彼女は静かに悲鳴を上げる

友人たちと共に彼女は

海の底へと沈んでゆく

彼女は戦うために作られて

彼女は戦いのため沈んでゆく

名を覚えていてくれるのか

彼女には分からない

闘わずして沈む彼女の姿が

またそこにある

平和を願うただそれだけ

平和になれとそう思うだけ

だけど彼女は戦う船

だけど彼女は平和を願う

闘わないのは本望だけど

闘わないのは少し悲しい

私の事は覚えなくていい

だけど平和を絶やさないで

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