明治十年十一月下旬 連合軍本営(鹿児島城内)における会議
霜寒き晩秋の夜、鹿児島城内は夜陰に包まるも、そこに集まりたる諸将の緊張と威厳により、場は静謐を保ちつつも不屈の闘志に満ちたり。今や九州列藩・朝鮮・台湾の連合軍は各地を平定し、総攻撃の準備を整え、帝都・京への進軍の途に就かんとせり。
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**九州平定の報告**
軍奉行 桐野利秋
「九州の大半は連合軍の支配下に入れり。熊本城もすでに制圧され、薩摩・長州の猛将らが鹿児島を中心に陣取りつつ、筑前、肥後の軍勢も悉く我が連合軍の旗下に組み入れられり。この地における政府軍の残党はわずかにして、連合軍の行軍に干渉するものは最早なし。鹿児島より北上を開始せば、我らが前進を阻むものなき状態なり」。
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連合軍統帥 西郷隆盛
「諸君、此度の決戦は、帝都奪還の一大機会なり。我が軍が武威を示し、京を攻め落とさんこと、これこそが我が大義を示すための最大の一撃となるべし。我らは決して無為に侵略を成さんために集ったるにあらず。新政府の腐敗を糾弾し、真の国威を挙げんがため、京の宮城を奪還するなり。」
台湾軍代表 李中将
「御意。我ら台湾義勇兵も此度の大決戦を待ち望み、遂に我が力を発揮せんとす。既に新政府の兵らは我らの連携と士気に驚愕し、戦意を挫かれたり。反攻を成功させるには、速やかに全力を以て進撃し、京の陥落を期するのみ。」
朝鮮軍代表 金将軍
「然り。露国の援助を受け、兵装も整うたれば、京の城門を打ち破るも難事にあらず。帝都京は我らが前に脆く崩れ落ち、再び民の手に返さん。我らは一丸となり、帝都の奪還を目指す覚悟を決せり。」
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**具体的戦術と攻勢開始日**
連合軍は、先ず福岡に集結し、十一月三十日をもって総攻勢を開始する予定なり。兵力の大半を前線へと送り出し、次に大坂にて兵を休め、京への進撃を決行する。三方面に軍を分かち、北九州より京へ直進せしめると同時に、備中より迂回して京の周囲を包囲する計略を定めぬ。かくの如き周到なる戦略により、京到達は来るべき十二月十日頃を予定せり。
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**総括と激励**
西郷隆盛は満場の諸将を見回し、穏やかなるも重みある声にて告げたり。
「我らは今一度、連合の意志を確かにし、心を一つにして帝都へ進むべし。勇猛なる戦士たちよ、我らの血と汗が京を染めし時、新しき世がここに築かれん。命を懸けて戦え。共に勝利を掴み、我らが大義を成就せん!」
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斯くして、連合軍は京へ向けて一大進軍を決意し、ついに決戦の火蓋が切って落とされんとす。
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