聖女さま、癒しの聖乙女に偽聖女と断罪される。
touhu・kinugosi
第1話 聖女の日常。
パアン
聖薬莢の破裂する乾いた音が響いた。
約一メートルのミスリル銀でコートされた杭が勢いよく飛び出す。
肩の長さの銀髪がひるがえった。
「ゴワ gsr※wdh あああ」
流石、
頭を吹き飛ばされてもすぐに首元に新しい頭を再構築し始めた。
すぐ
ブチブチイ
ミスリル製の脚甲をはいた脚を踏ん張り、悪魔の胸から紅い魔石をつかんで引きずり出した。
「あああ」
叫ぶ悪魔。
「塵は塵に、灰は灰に」
魔石を取り返そうと手を伸ばす悪魔の目の前で、
バキイ
握りつぶした。
「アアアあああ」
ザザザア
悪魔の体が塵になり崩れ落ちた。
周りにいる悪魔に魂を奪われた眷属たちも同じく灰になり崩れ落ちる。
ガキン
ピンッ
排莢口から空薬莢が飛び出る。
と同時に新しい聖薬莢が薬室へ。
飛び出していた杭が元の位置に。
エメラルドグリーンの双眸で、油断なく周りを見回す。
動くものはいない。
「状況終了っ」
真っ白な鋼鉄蜘蛛の糸製のドレスアーマー。
ミスリル製の胸甲がカチリと音を立てた。
「お疲れ様です、ヴィクトリア少佐」
「うむ、アンナマリー曹長」
近づいて来た黒髪の専属侍女に 弾倉と薬室の聖薬莢を抜いて、
アンナマリーが金属製のケースに入れて鍵をする。
「
すぐにアンナマリーがインカムに指を当て、後方待機していた浄化聖女小隊を呼ぶ。
三人の聖騎士に護衛された浄化聖女が辺りの瘴気を浄化し始めた。
「少佐、明日の貴族学園の卒業式には出れそうですね」
専属侍女であるアンネマリー曹長が聞いてきた。
「そうだな」
「婚約者である王子のエスコートの話がきませんでしたね」
「ああ」
そういえば婚約者とかいうものがいたなあ
左頬の古傷を人差し指でなぞりながら考えていた。
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