夜空に弓

夕暮れ時。夜空にか細い月が浮かんでいる

その弓が向かう先は太陽

太陽に狙いをさだめているのか


月は太陽のことを、どう思っているのだろうか

太陽無くして輝けない自分つきのことを、どう思っているのだろうか

日に日に変わる自らの姿を、そう思っているだろうか


月に降り立った人間は「地球は青かった」と言ったけれど

月が見た初めての人間のことを月はどう思ったのか


表の顔しか見せない、月

長い間地球と共にあった、月

少しずつ地球から離れていっている、月


子どもの頃、いつまでも追いかけられつづけた、月


おまえの気持ちの矛先は、どこにあるのか

弓のような月は、地平線に沈んでいく


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