第30話

剣術の魔法を練習してはいるものの、感覚が掴めない…。気分を変えてレベルでも上げようと思ったりするのだが、ダンジョンの深い階層には潜らないので仕方がない。


そんなことを考えながら、鍛錬を積んでいると雪ちゃんが戻ってきたので魔法を習いつつ剣の稽古に励むことにした。


レベルはその気にならば野営でもなんでもしてダンジョンで魔物を倒し続ければどうにかなるので技量をどうにかしようというものである。


実際に一定以上のレベルのもの同士の戦いだと、レベルの差はあまり関係がないようなので技量を鍛えていくという私の選択は間違っていないといいなと思う。


そうして、私が考えた探知魔法を使えるようになるまで三年という月日が流れた。だいぶ多くの時間を必要としてしまった。


この間に、私には弟が生まれた。弟の名前は紅哉こうやという。私が小学校に通い始めてからしばらくした後に、お母さんの妊娠が発覚した。


それからというもの、この三年間、私は、お父さんのお弟子さんに連れられて、たまにダンジョンに行くこともたまにはあったものの、ほとんどダンジョンに行く機会はなかった。


お父さんは、お弟子さんに稽古をつけたり、弟の面倒を見るので手一杯なようで私に構う時間はあまりなかったのだ。


そこで、お父さんの弟子である、女大生の詩織しおりさんに浅い階層までではあるものの、ダンジョンに一緒に連れて行ってもらったりした。


そして、剣の稽古なのだが、お父さんには、型を見てもらっていたものの、試合形式の稽古はつけてもらえていなかった。


まあ、お父さんのお弟子さんである詩織さんたちと試合形式の稽古をつけてもらっていたため、あまり気になることではなかった。


お父さんは、私の体が出来ているわけでもないから、基本的なことができれば良いかと思っているようである。


また、レベル上げがしたければ、一人でダンジョンに行けば良いと思うかもしれないが、両親は私の面倒があまり見れないからか、GPS付きのスマホを買ってくれてこれを外に出る時は肌身離さないように言いつけられていたので、行くことはできていなかった。


仕方がないので、弟がある程度育つまでは、レベル上げを我慢するしかなかった。そうであっても、この3年でダンジョンには行かなかったので対人戦スキルや、魔法の鍛錬に時間を使うことができた。


私は第一目標として、聖女ちゃんを演じれるようにかることが目標ではあるが、PTメンバーが見つからない今、一定近接戦闘ができなければいけなかった。なので、ここ数年剣の稽古に励むことは悪くないかと思った。


そして、それなりに長い時間をかけた剣術はかなり上達したと思う。雪ちゃんに協力をしてもらいながら、兄弟子、姉弟子の動きを魔法で模倣したのである。


もちろん無理やり魔法で体を動かすことになるので、次の日は確定で筋肉痛なのだが…。


前世も含めて、足の筋肉痛は経験があるが模倣をすると全身筋肉痛となるので、回復魔法で治すという発想に至るまで大変だった…。


なお、回復魔法で回復させると無理やり

回復させているからか、自然回復ほど筋肉はつかないようで原因となった魔法を違う度筋肉痛に悩まされることになった。


その剣術なのだが、未だ中伝であり進歩は感じられるものの中々次の段位になるまで遠いようだ。まあ、中伝の次が奧伝であることから前世の武道ほど段位の区分がされていないことも要因の一つとして挙げられるのだろう。


そして何より最近心配していることは、身長があまり伸びていないことである。確かに子供の時に筋肉をつけたら身長が伸びないといった噂を聞いたことはあるがそれは眉唾物である。


もしかしたら、私が糖質制限と言って体が成長するのに十分な量のご飯を食べていないのが原因なのかもしれないが、可愛い私を守るためにもそこまで食べる量を増やそうと思ったりはしなかった。何よりそこまで胃袋が大きくないこともあるかもしれない。


そんな身長が少ししか伸びていない私であるが、お父さんからある話を受けている。うちの道場はたまに他の道場から試合形式の稽古の誘いを受けることがあるようで、弟子にとって良い経験にもなるため相手に一定の知名度があれば引き受けているらしい。


そして、その誘いとは試合に私が出てみないか?というものであった。


今までも何度か誘い自体は受けたことがあったが、普段は面倒だと思って断ってきた私だった。


今回は、一応完成した探知魔法を試すためにも試合に出ることを了承することにする。試合について説明を聞いていると、木刀あるいは竹刀を使うこと、魔法は身体強化のみ認められること、防御魔法を審判に貼ってもらい一本入ったと判断された終わること、危ないと思ったら棄権することが相手方との話し合いで決まったルールのようだ。魔法が使えないのは残念だが、剣術の試合の試し方がないと思うことにする。


そういえば、今回の試合で私が対戦する相手は私の2つ上の男の子らしい。どうやら、私と同じく家が道場をしているようです一応そこの跡取りとなっているようだ。


できれば女の子がよかったなあと思いつつも、私も了承してしまったし、今更断るつもりはなかった。


それからは、特段何も変わり映えのない日々が土曜日まで続いた。


土曜日、この日はたまにあるお父さんのお弟子さんたちが、試合のため朝からくる日である。


お母さんも今日は試合があるからか、朝早くから起きて、おにぎりを大量に握っている。私もどうかと誘われたが一応試合に出るので断っておいた。


試合が始まるまでは、シャワーを浴びたり、普段は着ない道場着に身を包み、髪を後ろで縛って準備をして、それでも時間が余ったので雪ちゃんと魔法で遊んだりしていた。


しばらく雪ちゃんと遊んでいると、今回対戦する相手がやってきたようだ。私の家の玄関チャイムが鳴らされる。


本当は私も行ったほうが良いのかもしれないが、めんどくさかったのでお父さんと幾人かのお弟子さんに彼らの出迎えは任せることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る