第34話 一日のはじまり
空が少し白み始めてきた
新聞と牛乳をとりに外に出てくると、今日も彼のタッタッタという軽快な走ってくる音が近づいてくる
「おはようございます、ジルさん今日もお早いですね」
「いやあリル君こそ、昨日あんなすごい大会したのだから今日くらいゆっくり休んでいればいいのに」
「1日休んだら感覚取り戻すのに3日かかってしまうんですよって僕の師匠からの受け売りなんですが、ハハハ!」
「昨日は、お父様もお師匠さんもいらしてたけどもうお帰りになられたのかい?」
「はい、父も忙しい方なので昨日は本当によくきてくれたなと思っています」
「お父様嬉しそうだったね
あ、今日の新聞にも一面でお父様とリル君の絵姿が出ていたよ」
「ええ? うわ!本当だ!花冠被ってる父上だ
やばいな〜」
「いやあ素敵だよ、お父様が羨ましいよ
そういえばお師匠さんも凄く泣いていたね」
「あ〜!あの人感情豊かですぐ泣くんですよ」
カリアスは昨日父上と見にきていて
あの後おいおい泣きながら俺を抱きしめて離してくれなかった
「セシルはまだ夢の中かな?」
「昨夜は試合を見て興奮して疲れたからな
でもリル君たちと早朝練習するのが楽しみだからもう時期起きてくるだろう
いつもすみませんね 練習の邪魔になってませんか」
申し訳なさそうにジルさんがいう
そういうジルさんがとてもセシルを大切に思っているのがわかる
「大丈夫ですよというかセシルに教えていると自分も、もう一度基礎から見つめ直せて助かってますよ」
「ありがとう…… あっよかったら、これ飲んで行って」
リル君に何かしたくって今手に取った配達されたばかりの牛乳を渡した
「え! いいんですか ありがとうございます
遠慮なくいただきます
今、寮の周りずっーと走って来たので喉が渇いてて嬉しいです」とゴクゴクゴクと飲む
「すみません、ありがとうございました」
「あ、牛乳瓶はもらうよ」
「ありがとうございます
では僕、行きます キャシーさんにもよろしくお伝えください」
とまた軽快に走って行ってしまった。
私も家に新聞と空になった牛乳瓶を持って家に入るとキャッシーも起きてきていた
「あら、ジル牛乳瓶空じゃないどうしたの? 」
「ああ、セシルの英雄ヒーローがきたから飲んでいただいたよ」
「セシルの英雄ヒーローに牛乳なんて朝食を食べていってもらったらいいのに」
「また、ヨハン君も一緒に改めて招待しようか
牛乳寮の周り走ってきたから喉乾いてたって喜んでくれていたよ」
「寮の周りって結構な距離よね
昨日あんな試合で優勝したんだから今日くらい休めばいいのに 」
やっぱり同じような事思うよなと思いながら、椅子に腰掛け新聞を広げた
セシルが慌ただしく階段を降りてくる
さあ、今日も賑やかな一日がはじまる
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