第10話 光の扉
何回かのお茶会を終えてアイリーンは、フェリックス王子の婚約者に決まった
「お姉様、おめでとうございます」
「ありがとう、アリス」
アイリーンは、いつもと変わりなく 特に嬉しそうな感じもしない
「お姉様? 嬉しい………くない?」と思わず変な言葉になりながら聞いてしまった
「そんな事ないわ うれしいわよ」
「これから毎日王城で妃教育もはじまるのでしょう?お体にきをつけてね 」
「ありがとうアリス でも時間のある時は、私と美味しいケーキとお茶しましょうね」
いつもの笑顔のアイリーンに戻った
アイリーンともども公爵邸もバタバタと忙しく、私とウィルは益々鍛錬後は、私の図書館にこもって本を読んだり調べ物をする毎日だった
ある日、思い切ってウィルに両親の手紙をみせたその中に、わからない言葉で書かれていた手紙があったからだ
「これは、古代文字だな……」
「古代文字?」
「これを読める人は少ないけど……
ちょっと待って 古代文字に関する本 この前この図書館で見た」
そういうとウィルは、図書館の2階に駆け上がり2階の本棚の奥から古く太い本を抱えながら降りてきた
え?こんなの本みただけでわかる?
と真剣に本をめくりながら手紙を照らし合わせるウィルの顔を見つめた
「ああ!そうか!」
と髪をかきながら今度は、1階の奥まったところに行き数冊の本を抱えながら戻ってきた
ちょっとこの人、
私よりこの図書館の事把握してない?
そう思いながら私は、ウィルのことを見つめることしか出来なかった
数冊の本と古代文字についての本を捲りながらウィルは、手紙を解読するのに集中していた
私は、他の日記や手紙を読みすすめていた 日記の大半を読み終わり両親の立場や結婚には反対され駆け落ちしたのではなく身を隠さないといけないことがあって公爵邸を出ていったということがわかった
そして、私が両親から凄く愛されて生まれ育てられたことも深く感じることができ、いつの間にか涙があふれていた
横にいるウィルは、手紙の解読に集中していて私が泣いているのに気がついていなかった
すぐに涙を拭いお茶を淹れ図書館のテーブルに用意していると
「よし!これでいいだろ!」
と背伸びをしながらウィルが叫んだ
「え?わかったの? 凄いわウィル! お疲れ様 説明してくれる前に先にお茶にして!」
ウィルは、少し興奮ぎみに
「アリス!これで君の悩みの解決の糸口になるかもしれない」
そう言いながら私を抱き上げ下ろすと急いでお茶を飲み干した
「アリス、鍵とピアスそれから指輪持っているかい?」
「ええ、ここにある」
ポケットから全てだすと 銀色の輪と金色の輪がクロスし間に綺麗なエメラルドグリーンの石の入った指輪をウィルは、私の右手薬指につけた
指輪は、私の指の太さに変化した
「アリス、右手に鍵を持って掲げるんだ そして念じてみて 光よ 扉を開き導きたまえ と」
私は、ウィルの言われたとおりにし念じた
「光よ、扉を開き導きたまえ」
すると3本の内1本が白く光り輝き本棚の本に光が放たれた 光り輝く本が本棚から飛び出しまた本棚に入れ替わり戻っていくと本棚が開き、中から白く光る扉が現れた
驚いて言葉にもならない私とウィルは、思わず手を握りあったまま扉の向こうに吸い込まれたのだ
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