監督の高校野球物語
Taku
第1話
僕は、ここで高校野球の監督になって甲子園を目指す。
そして、監督になって1週間後公式試合が始まった。
甲子園を目指す戦いである。
「えーと。監督に就任した、福田です。
高校野球の監督になったからには、甲子園が目指したい。」
選手の反応はいまいちだった。
1回戦。
相手ピッチャーは、村田
球速は120kmのピッチャー
自分のチーム。桜道高校。
先攻の攻撃。
1番バッターは蓮村、ポジションはライト
練習を見て思ったのが、とにかく足が速い。
だから、守備でも外野で快速でボールに追いつく。
足を活かすために1番バッターにした。
サインは待球策。1番バッターなのでよく見て次のバッターにつなげてほしい。
「蓮村、ヒット打って行けよ」深谷が言う。
「最初の入り大事だからね」平井が言った。
「初戦のピッチャーなのに、120kmも投げられるとはな」
「うちの打者だと、ちょうど打ちゴロかもね。」
「変化球しだいだな」
「1回表で、リード保ちたいよな」
「ショートがちょっと守備位置右よりだよな。
三遊間空いてるぞ。」
「ほんとだな。ショートゴロで内野安打もあるかもね。」
「センター前かと思ったら、ショートに取られることもあるから」
「メリットとデメリットが両方あるな」
「MLBだと、センターラインにショートがよって、
センター返しのヒットのあたりがほとんど、ショートゴロになってるよ」
「今の日本の野球だと、そこまで極端なことしてないけどな。
今、守っているショートだって、ちょっとセンターよりなだけで、
普通にセンター返ししたら、ショートは取れないと思う。」
ピッチャーが足をあげて、1球目を投げた。
インコースのストレート。
蓮村は見送って1ストライク
その後、2,3球は高めのボール球になり、4球目ストライク
2ボール2ストライクで
サインは自由に打てのサインをだした。
自由に打てとは考えて打てということである、
「監督のサインは自由に打てのサインだな」深谷が言った。
「蓮村はどう打ってくると思う。」平井が言った。
「ここはストレートのボール狙って行って、変化球ファウルでしょ」
「蓮村があのストレート打ってくれるなら、みんなストレート待ちでいけるでしょ。」
「次の球、変化球きそうだけどな。」
「そうか、ストレートだと思うけど。」
蓮村は5球目の低めのボールをセンター前に弾き返した。
これで、ノーアウト1塁
1回戦相手なので、うちの打線なら普通にやれば勝てるはずだ。
2番バッターは赤城 守備位置はセカンド
バントが得意のバッターである。
練習では、よくバントをしていた。
サインは盗塁のサインをだす。
「相手キャッチャーの肩が弱いなら、走るんじゃね」天間が言った。
「1球目はキャッチャー外してくるんじゃないの」山岸が言った。
「いや、1球目たとえ外したとしても、蓮村の足なら盗塁できるぜ、」
「監督のサイン盗塁だから、ピッチャーの球が低めだったらいいんだけど」
事前の調査で、捕手はそこまで肩が強く無いらしい。
ピッチャーが投げた瞬間蓮村が走った。
完璧に盗んだ。
ピッチャーは低めのボール球を投げた。
キャッチャーは、ボールを取って急いで2塁に投げるが
余裕で2塁セーフで
ノーアウト2塁
「よっしゃ、ナイス盗塁成功」天間が言った。
「いや、キャッチャー外してこなかったね」山岸が言った。
「警戒心がなさすぎるな」
「つぎの赤城、バントじゃないかな」
「え、バントのサイン出すのもったいない。
俺だったら振っていけっていうけどな」
「けど、赤城バントうまいから、ここは
1アウト3塁でチャンス作った方がいいよ。」
「まあ、それもそうか、けど、打たせた方が面白いけどな。」
僕は考えた、
ここで、赤城にバントさせるのは、もったいない。
まだ序盤であるので、打てのサインをだした。
1ボール0ストライクの2球目
高めのスライダーに赤城は手をだして、セカンドゴロ。
ランナーは3塁に進んだ。
赤城は、役割を果たした顔で満足そうにベンチに下がった。
ベンチでは、ナイス進塁打と声がかかる。
「監督普通に打てのサイン出したね」山岸が言った。
「あの監督やるじゃねか。わかってるよ」天間が言った。
「次は深谷だよ。これで犠牲フライでも打ってくれたらな」
「ここは、深谷に打ってもらわないとな。
相手のストレートタイミングあったら、普通にヒット打てるでしょ。」
1アウト3塁。
3番バッター 深谷 ポジション サード
声を良く出していて、
チームのムードメーカーである。
そして、バッティングも練習を見る限りいい。
深谷に打席に入る前に声をかけた。
「初球ストライクが入りそうな球がきたら振っていけ」と僕は言った。
ピッチャーは、そこまでコントロールが良くないように見える。
甘い球が来たら深谷は打てるだろう。
ピッチャーが慎重になっていたら、初球ストライクはない。
深谷には、思いっきり打ってほしいと思い。アドバイスをした。
1球目ピッチャーが高めのストレートを投げた。
深谷はフルスイングをした。
打球は左中間を破って2ベース
自分の指示通り打ってくれた。
これで先制点を取ることができた。
「深谷で1点は言ったね、さすがだよね」山岸が言った。
「俺も3番だったら、ヒット打ってたのに」天間が言った。
「天間、そんなにすねなくても大丈夫だよ」
「すねてねぇよ」
「池永か、また三振するんじゃないかフルスイングしすぎなんだよ」
「天間くんと、真逆のスイングの仕方だよね。池永くん。アッパースイングだから。」
「そうなんだよ」
4番バッターは池永。ポジションはファースト
典型的なホームランバッターである。
練習ではホームランをすべて狙った打ち方をしていた。
ホームランは打てるが三振は多い。
ピッチャーは高めのつり球で2ストライクをとった。
最後はフォークで池永は空振り三振をした。
これで、2アウト2塁。
5番バッターは山岸
長打力が高く。4番でも任せられる選手である。
振っていけと指示をだした。
1球目
低めのスライダーを投げた。
山岸は振ってファウルにした。
2球目ど真ん中の失投を山岸はフルスイングした。
打球はセンターにあがり、外野手は後を向いた。
ホームランである。
2ランホームランで3対0となった。
「ナイスホームラン」僕がいうと
「はい、ありがとうございます」と山岸が返した。
ベンチは、ハイタッチで出迎えた。
「今日のピッチャーはコントロールが悪い
ストライクだけ待ってたら勝てるぞ」と
深谷が言った。
6番バッター 天間 ポジション、センター
単打が多いバッターである。
ピッチャーは1球目インコースに投げた。
天間は見送って1ストライク。
その後、ボール球とストライクを見送って、
3ボール2ストライクになった。
6球目のフォークを天間はひっかけて、ショートゴロでアウトとなった。
3アウトチェンジ。
この回の攻撃で3点取れた。
1回の裏。
うちのピッチャーは萩島。
今のところ、3番手である。
130kmのストレートにスライダーを織り交ぜた投球。
チェンジアップも持っている。
1番バッターは、片部
1球目、インコースのストレートを投げる。
片部は見送って1ストライク。
萩島がアウトコースに、2球連続でボールをなげて見逃し三振。
あっさりアウトをとれた。
2番バッターは、石原
相手チームの中で一番打率がたかいので要注意である。
1球目、アウトコースのストライクから外れたスライダー。
石原はよく見てボール。
2球目もまったく同じボールを投げるが反応しないでボール
2ボール。
3球目インコース低めのストレートを投げた。
石原は、狙っていたかのように、スイングしたが
打球は、サード正面でアウト。
2アウトランナー無しとなる。
3番バッターは、森岡
1球目、チェンジアップを低めに投げる。
森岡はタイミングをずらされて空振り。
1ストライクとなった。
その後、3球ボールになってしまい。
3ボール1ストライク。
内角にスライダーを投げた。
フロントドアである。
ボール球からストライクに入ってきた。
打者は、ボールをよけるが内角いっぱいにストライクが入り、
3ボール2ストライク。
最後は、アウトコースのストレートで
見逃し三振。
3者凡退で打ち取った。
2回の表の攻撃。
7番バッタ-平井。ポジションは、キャッチャーである。
肩はそこそこ強い。
相手の配球を読んで打ってくるバッターである。
1球目、村田はアウトコースのストレートを投げた。
平井はそれを読んでいたかのように、打ったが
セカンドゴロとなった。
「おしいおしい、」深谷は声を出す。
1アウトランナー無しで
8番バッター富永 ポジションは、ショート
守備がうまくて、打撃は期待していない。
村田はフォークボール3球続けて
富永はタイミングがあわず三振になった。
2アウトランナー無し。
9番 萩島 ポジションはピッチャー。
練習では、バッティングもできていたので、ヒットは期待できる。
サインは、打っていけと指示をだした。
村田は1球目、得意のフォークボールで萩島から空振りをとった。
2球目、高めのつり球に手をだしたが、球速が勝って
外野フライとなった。
ここまで、相手ピッチャー村田の球数は22球。やや早打ちになっている。
相手ピッチャーは村田以外は劣るので、次の回から、待球策を指示した。
1巡目までは、どれだけ粘れるかの勝負である。
2回裏。相手の攻撃3対0
4番 笹原
長打力が高いので要注意だが、
この4番を押さえたら、後は楽である。
インコースのストレートを投げた。
平井は強気のリードである。
笹原は見送って、1ストライク。
フロントドアを使って内角ボール球から、ストライクになる。スライダーを投げた
見送って、これで、2ストライク。
最後は、低めのチェンジアップで空振り三振となった。
注文通りとなった。
5番 徳本
スライダーを3球続けるがボールになってしまい。
しょうがなく、アウトコースのストレートをなげるが、
流し打ちされる。
ヒットを打たれたかと思ったが、セカンドの赤城が一二塁間のボールを回りこんで
アウトにした。
ファインプレーである。
「ナイス赤城」とベンチでチームメイトが声をかけた。
6番 野村
サインはキャッチャーに任せてある。
たまに、僕が出すことがあるが、平井には信頼を置いている。
1球目、アウトコースのスライダーをバッターは振るがボールが遠くて
当たらない。
その後、2ボール2ストライクとなり、
チェンジアップでひっかけさせて、
ショート富永がとって、3アウトとなった。
僕は、みんなを集める。
「ここまで、上出来である。3対0だ。普通にやろう。
次の回から、待球策だ。粘っていこう。相手の球数投げさせてつかれさせよう」
「おー」と選手達が声を出して、ベンチに戻っていった。
捕手の平井が、僕に声をかける。
「監督、萩島のチェンジアップが調子がいいです。
相手も、チェンジアップに惑わされて打てていないので、
少し、スライダー少な目でいきます。」
「わかった、しかし、内角のフロントドアもたまには使うといいよ。
相手がのけぞってくれて、目線が変わるからね」
「了解です」
平井は、よくピッチャーの状態が見えている。
「いや、相手ピッチャーの球種って、
ストレートとフォークとスライダーでしょ。
うちの萩島とほぼ球種同じだね。」センターの天間が言った。
「たしかに、けど、フォークボールとチェンジアップは違うよ」レフトの山岸が言う。
「やっぱ相手ピッチャーはスライダーとフォークは調子よさそうだし、
ストレート狙いがいいんじゃない」天間が言う。
「たしかに、ストレートが甘く入るときがあるから、そこを狙えばいいか
けど、待球策しろって言われてるじゃん」
「けど、ヒットうてばいいんじゃない」
「うん、確かにそうかも」
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