第9話

かっこつけて手放した恋は、いつまで経っても俺の心をガンジガラメにしていた。



制服のポケットから煙草を出して口に咥える。



「……諦めわりぃ……な……本当」



俺は香月にも聞こえない位小さな声で呟いた。



“千秋~!遅刻するよ!”


“こら千秋!つまみ食いしないの!”


“千秋のバカ!エッチ!”




「……紫―――…」



俺は朦朧とする意識の中で何かを呟いた。

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