第26話
立ち上がったそいつは俺の視線に気付いてこちらを見た。
茶髪にピアス。鋭い目つき。
「え……?」
カイセイって奴だった。
だけどあの日とはなんだか雰囲気が違う。酷くやさぐれていて、顔つきも目つきがするどくなっていて。
凛としていたあの日のアイツは、そこにはいなかった。
「何見てんだよ」
スバル君の言う通りグレてんじゃん…。
「バスケやめたのかよ?」
そう言った俺に、ピクッと眉を動かして、そいつはこちらに向かって来た。
「なんだよ?てめぇ」
怒りを帯びた笑みを浮かべながら。
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