第26話

シュート先輩はもうあたしを家まで送ってくれないから。



あたしは数学科室に行ってプリントを貰ってから一人で、彼が受け取ってくれなかったハンカチを眺めながら家路に着いた。



ため息をついてポケットにハンカチを詰め込んだ時、



「………」



あたしはある筈のアレが無いポケットの中に手を突っ込んで唖然とした。



「………無い」



いつ落とした?いつまではあった?



「無い!」



退学届けが無い……!

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