家族とのふれあい

ゴーレムのトムが完成し、透明化の魔術をかけたところで、


部屋に近づいてくる気配を感じた。



やはり魔力感知、は便利だな。


遠い場所でも何があるか分かってしまう。



そんなことを考えていた私は、気配に違和感を感じた。



……おや? 


メイド以外にも気配が。



誰だろう?



と考えている間に気配は部屋の前で立ち止まった。




「失礼いたします」




ガチャ……




「おお! ダンが起きているではないか!」


「ダンちゃ~ん! お母さんですよ~!」




父さんと母さんだった。




それはともかく、私の今世の父さんと母さんだ。


2人については生まれる前に、神界の図書館で調べさせてもらった。



まず父さんは、賢王様けんおうさまと呼ばれるほど国民人気が高い。



インフラ整備、飢餓対策、経済政策など、


現代的な、国民のための政治をきちんとしていて、


周辺国家と比べても、頭一つ抜けるほどの豊かな国家を維持している。



まさに賢王と言えるほどに頭が良く、立派な国王だ。



現代的な考えを持っている国王はとても希少だからだろう、


色々と手伝ってあげたいという気持ちが出てくる。



なので、近いうちに暗躍してジョン王国を陰からサポートしようと思っている。


技術チート&内政チートの計画もすでに考えていて、あとは実行するだけだ。



21世紀までのテクノロジーを神界で復習し尽くした私に死角などない。


私が歩けるようになるころには、ジョン王国は繁栄はんえい謳歌おうかできているだろう。



そして母さん。



母さんは、なんと隣国のお姫様だ。


父さんに一目ぼれして猛アタックした結果、結ばれたらしい。



なお、父さんも母さんに一目ぼれしていたことが後に発覚した。


相性バッチリの夫婦だ。



話は変わるが、父さんと母さんは私の様子を見に来たようだ。


絵本の読み聞かせをしてくれたり、子守唄を歌ってくれたりと愛情を感じた。



私は幸せ者だな……



グゥ……



~~~~~~~~



ホーホー……




ハッ! 寝てしまっていた! 


とはいえ今は真夜中。



つまり、


計画その3、人型ゴーレムを操って、王城から抜け出し自由に活動する、


を目立たずに実行できるチャンスだ。



計画を進めよう……



~~~~~~~~



家族と触れ合ったダン。


愛情を注がれ幸せを感じ、いつの間にか寝てしまったようだ。


さて、ジョン王国を繁栄はんえいさせる事にもつながる一歩。


トムの王城脱出は無事に成功するのだろうか?

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