第5話

部屋に入ると目の前のソファーに見慣れた人影が見える。






「密琉。」




「ん?おぉ、藍樺。久しぶりだな。最近全然来ねぇから叶汰スネてたぞ?」




「お、合ってた。最近仕事が忙しくて。」




「あー。最近テレビとか雑誌によく藍樺載ってるもんなぁ~」






そう。私は会社を持ってる。

久遠コーポレーションという日本トップ企業の会社。






「うん。今日も帰ったら本社行かなきゃ。」




「忙しいのな。“社長”は。」





そうなんだよねぇ。なんでかいつの間にか一流企業に成長してて有名な社長になってた。





「うん。本当忙しい。社員のミスも絶えないし。」




「またかよ、今度は何しでかしたわけ?」






考えたら頭痛くなってきた。


頭を押さえていると風斗が答えてくれた。





「新作ブーツとドレスの発注ミス。」





そう。それが一番大きいの。


ほんと仕事が増えるんだよね。







「そうそう。それにパソコン壊して会社の一部パソコン使えなくなったし。」





この間なんか私の目の前でパソコンの配線思いっきり足に引っ掛けてパソコン何台かひっくり返してダメにしちゃったし。






「うわ悲惨…なんか俺の会社も心配になってきた。今日行こうかな…」




「いや、密琉お前会社放置したらだめだろ。」





風斗はいつでも正論でお説教してくる。


まあ、間違ってないから言い返せないんだけど。






「大丈夫。弟に任せてるだけだから。」




「そっちのが危険な気が…」






密琉の弟はしっかりしてるけど何処か抜けてるところがある。


少し心配なんだけど。





理事長室の方から物音が聞こえてきた。

叶汰かな?お兄ちゃんは違うし。

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