第3話

「密琉と叶汰と蒼威とお兄ちゃんは?」






メンバーと理事長であるお兄ちゃんを見かけないのでその辺詳しい風斗に尋ねる。






「密琉は部屋、叶汰はお菓子の買い出し、蒼威は仮眠室、理事長は…あ、四郷総会の準備。」




「へぇ…あ、1人忘れてた。恭は?」






恭多もメンバーの一人。






「恭多は叶兎さんの補習。」





「うゎ…叶兎さんかぁ…恭ドンマイ…」






叶兎さんはこの学園の数学教諭。


めちゃくちゃ厳しくて赤点取ったら補習がみっちりある。







「まぁ、恭多が勉強しないから悪ぃ。」





(間違いない。恭多ってばほんとに数学苦手なんだから。)



そのくせ授業もさぼるしテスト勉強も自主勉強もしないといったかなりの阿呆である。





「間違いないね。風、部屋行こー。」




「ん。行くか。」






理事長室の奥には私たち専用の部屋がある。


阿呆への悪態をつきながらその部屋に風斗と入っていく。








——————————まさかこの会話をある生徒に聞かれているとは思いもしなかった。

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