第39話 猫カフェの運営と執筆活動の再開
春の陽射しが優しく差し込む中、私は猫カフェの運営に追われながらも、久しぶりに執筆活動を再開することにした。
猫たちの世話やお客さんとのコミュニケーションに忙しい日々が続いていたが、心のどこかで物語を紡ぎたいという思いがくすぶっていた。
そんな時、私のもとに一通のメールが届いた。
差出人は、猫に関する著書を持つ春瀬さんという女性だった。
彼女は猫の魅力を伝えることに情熱を注ぎ、多くの読者に愛される作家である。彼女からの依頼は、共同執筆の提案だった。
「猫をテーマにした本を一緒に書きませんか?」と。
彼女の提案に心が踊り、すぐにその申し出を受け入れた。
私たちはすぐにオンラインで打ち合わせを行い、本のテーマや内容について意見を交わした。
春瀬さんは、猫との共生や、猫たちがもたらす癒しの力についての経験談を盛り込みたいと考えていた。
私も、これまでの活動や猫とのエピソードを通して、私たちが感じた猫の魅力を伝えたいと思った。
こうして、私たちのアイデアがひとつの形になりつつあった。
ー絵本作家との再会ー
私たちのプロジェクトが進む中、挿絵を担当してくれる絵本作家の興梠さんにも声をかけた。
彼女は以前、猫をテーマにした絵本を作成する際に私たちと共に働いた仲間だ。興梠さんに連絡すると、「ぜひやりたいです!」と快く引き受けてくれた。
彼女の描く猫たちは、温かみがあり、見る人の心をつかむ魅力を持っていた。
春瀬さんもそのことを知っていたので、挿絵の担当が決まったことに大変喜んでいた。
私たちはそれぞれのスケジュールを調整し、執筆に取りかかることにした。
週に一度、猫カフェに集まり、コーヒーを片手に本の構成や章立てを考えた。
カフェの中では、猫たちがくつろぎ、客たちの笑い声が響き渡る。
そんな温かな雰囲気の中での執筆作業は、私たちにとってとても心地良いものだった。
執筆が進むにつれ、私たちのアイデアやエピソードが次第に形を成していくのを感じた。
春瀬さんは自らの体験を基にした猫とのエピソードを語り、私は私たちの活動を通じて感じたことを文章に落とし込んでいった。
興梠さんは、そのエピソードに合った挿絵を考えながら、時折猫たちに目をやり、インスピレーションを得ていた。
ー本の完成とトークショーの準備ー
数ヶ月の共同作業を経て、私たちの本がついに完成した。
タイトルは「猫との絆を深めるために」とし、猫たちとの出会いや日常、私たちが学んだこと、そして猫たちからの愛情についての物語を詰め込んだ内容になった。
本の完成を祝って、春瀬さんと私はトークショーを開くことにした。
場所は、私たちが運営する猫カフェの一角。地域の方々を招待し、私たちの経験や猫との生活について語り合う場を設けることにした。
興梠さんも挿絵についての話や、絵を描く上での思いを語ってくれることになっていた。
トークショー当日、カフェはたくさんの人々で賑わった。
猫たちもカフェの一部として、訪れるお客さんの注目を集めていた。
お客様の中には、本の発売を楽しみにしていた人も多く、私たちの話をじっくり聞こうと集まっていた。
春瀬さんは、最初に話を切り出した。
「私たちが猫と過ごす中で学んだことは、猫たちが私たちにどれだけの癒しをもたらしてくれるかということです。この本は、そんな猫との共生の素晴らしさを皆さんと共有したいと思い作りました。」
彼女の言葉に続き、私も参加者たちに向けて、私たちの活動の背景や、猫たちとの触れ合いがどのように人々を癒しているかを語った。
ー興梠さんの挿絵と共にー
興梠さんも話し始めると、その表情には猫に対する愛情が溢れていた。
「この本の挿絵は、私が実際に猫たちと触れ合いながら感じたことを基に描きました。猫の仕草や表情を捉えることができる瞬間が多くて、本当に楽しかったです。」
その言葉に会場は温かな拍手に包まれた。
トークショーでは、参加者からの質問も受け付けた。
「猫がもたらす癒しについて、具体的にどう感じていますか?」という質問に対して、私たちは各自の視点から答えた。
春瀬さんは、「猫と過ごす時間は、心が軽くなる瞬間です。何も言わずに隣にいてくれるだけで、どれほど救われるか」と語り、私も同意しながら「彼らの存在が私たちに安心感を与えてくれることが、本当に素晴らしいと思います」と付け加えた。
興梠さんも、自分の絵がどのように猫たちの個性を表現しているかを話し、参加者たちからも「この猫の表情がたまらない!」「まさにうちの猫とそっくり!」という声が上がった。猫の特徴を捉えた挿絵が、参加者たちにとって身近に感じられる要素となっていた。
ートークショーの終わりと新たな出発ー
トークショーが終わる頃には、参加者たちとの会話が弾み、猫たちの魅力や生活についての話で盛り上がった。
皆さんの笑顔を見ると、私たちの本が伝えたかったメッセージがしっかりと届いたことを実感した。
春瀬さん、興梠さんと共に行ったこの活動は、私たちの友情を深め、猫を愛する人々との絆を築く素晴らしい機会となった。
トークショーの後、参加者たちはそれぞれの猫との思い出やエピソードを語り合い、カフェ内は猫の話題で賑わっていた。
私たちの本も手に取ってもらえたことを嬉しく思い、これからも猫たちとの素晴らしい経験を共有し続けることができると確信した。
執筆活動を通じて、私たちの絆が一層深まったことを感じながら、新たな作品やイベントを通じて、猫たちの素晴らしさを広めるために、今後も積極的に活動していくことを決意した。
この本がきっかけとなり、より多くの人々に猫との共生の楽しさが伝わることを心から願っている。
猫たちと共に歩む未来に、期待を寄せていた。
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