第14話

響が自宅マンションに戻って来れたのは夜中の事である。

西麻布にある高級マンションの一室が

響の部屋だった。

今日も映画の夜の撮影があり、終わったのが深夜の0時である。

帰ると直ぐにバスタブにお湯を張って身体を沈める。

疲れが溶けて流れて行くのと同時に、気持ちが和らいで行く。

15歳でデビューしてからずっと走り通しだ。

初めてのケータイを持つドキドキ感を現すCMに出た途端に問い合わせが殺到して、響は超人気スターになった。


風呂から上がると、台本を読む。

誰もいない広いリビングで、自分の台詞を読み上げて行く。

ふと時計を見ると深夜の2時だ。

明日は10時からの仕事なので8時迄は

寝られる。

明日の予定は……

明日、真野に訊くとして、響は台詞を覚えるのに集中していた。

響は高校3年なので、受験勉強もしなければならない。

毎日の過密スケジュールと勉強で一日があっという間に過ぎて行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る