第8話

「真野。俺、全日本選手権観に行きたい」

響が撮影現場に向かう車の中で言った。

スマホで競技結果を調べている。

「クリスマス前だろう?無理だよ。それ

に…… 」

「分かってる。ただ……もう一度見たいんだ」

真野が言いかけたのを遮ると、響は真野の横顔を見た。

「叔父さんの娘か?」

「立原瀬名という子の演技をもう一度見たいんだ」

響からの突然の言葉を聞いて、真野は驚いていた。

「頼むよ」

響は真剣である。

「分かった。お前がそこまで言うのは初めてだしな」

「ありがとう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る