第3話

4月が来て、静香は春風高校に入学した。真新しい制服に身を通し,入学式も終えて10日余りが過ぎても新しい友達が出来る気配はない。周りにいる子達を見てみればみんな新しい友人達と楽しく笑っている。昼休みにお弁当を広げてグループになって話が盛り上がっていた。静香は中学生の時は女友達はいた。でも自分からワイワイ話しかけるタイプではないので声を掛けて来た子と少し話をするくらいだった。

「越智さんってあんまり話さないね」

クラスメートにそう言われても静香は黙って頷くだけだった。

そうか、これだから川島君の印象に残らないんだな…

静香はそう思ってゆっくり顔を上げてその女の子を見る。

可愛い顔立ちでもない。平凡そのもの。ストレートボブの目立たない私。川島君は中学時代、静香が3年間片思いしていた男子である。バスケ部で県大会で3位になった事もある。明るいお日様のような笑顔で女の子にも人気があった。

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