2話 温もり(3)
「……
「だって、母上と父上は……私を
あたしは、父さんと母さんと別れるその
聖くんはあたしの言葉で
「
あたしは
(なんで、私だけこんな
自分だけ周りと違い、それが原因で
(くるしい……くるしいよ。母上……父上……)
幼いあたしは、まだまだ子供で。どうするべきなのか、どう行動すれば、心が落ち着くのかなんて分かるわけもなくて。そうやって泣く事しか、できなかった。
(
あたしの
朝ご
そうして、1日が終わりを
「…………。……俺の話、聞いてくれる?」
指を組みながら、しばらくしてそう聖くんが
聖くんが
「笑っていいのか分からないって、朝言ってたよね。……血の
その言葉に、あたしは目を丸くして。そして
「母上も、父上もいないんですか……?」
その言葉に、聖くんは
「1番
そのまま、聖くんは言葉を続ける。
「だから、親の事は知らなかった。どうして俺は
俺の母さんは通り
「聖って俺の名前を
聖くんは、少し
「親って、そうやって子供の幸せと
例えば、俺が
「だからきっと、あんたの父さんと母さんはあんたに幸せになって、笑っていてほしいって思ってると思う。――だから、あんたは笑っていいんだよ」
聖くんのその言葉に、父さんと母さんの最後の言葉を思い出した。
『アメリア! 幸せになれ! 生きて、生き続けてくれ!!』
それは、母さんに連れられて
『アメリア。落ち着いて聞いてほしいの。……もし、
追っ手に一度追いつかれて母さんと別れる前に、母さんはそう言っていた。
『アメリアッ……!! 行くのよ!! 行って、そして生きて幸せになりなさい!!』
その時のあたしはそれどころじゃなくて、別れる悲しさと、もう会えないだろう
「幸せって、なんですか……」
あたしは声を
「それは……笑って、泣いて、辛いことがあったとしても乗り
聖くんはそう話す。あたしは
「父上と母上は、私に生きて幸せになってって言いました……でも、どうしたら幸せになれるのか、わかりません」
「……幸せはすぐなろうとしてなれるもんじゃない。幸せになりたいなら、楽しい時には笑いなよ。暗い顔してると幸せが逃げるって言うし」
幸せに逃げられたら、困るでしょ? と、聖くんは
あたしはその言葉に、こくりと
「
幼いあたしは、すぐに気持ちの整理をつける事は当たり前だけどできない。
聖くんの重苦しい話をごめん。という言葉に対して首を
◇◇◇
聖くんの家に幼いあたしが身を
王族として生まれたあたしは、料理をするなんて事はなかったからだった。
まだまだぎこちない様子で、子供用の小さい包丁を使いトマトを切る。身長の足りないあたしは
レタスの入った
いただきます。とあたしと聖くんの声。
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