第40話強く残る意志。

(犬護長ドントル「どおぉぉおしたぁ?!大森シイィィィン!」

けたたましい声とともに鉄製の扉が思いっきり開け放たれる。

(俺&サソリ男「?!ドントル!」

(犬護長ドントル「うお?山本たいき…。ってことはサソリ男の裏切り…ってことでいいのか?」

(大森シン「うん。サッチーは完全にあっち側へいったよ」

くっ!。まずい。ここでドントルまで参戦してきたら…勝てないぞ。

それにドントルがここへ来たってことはアリスは?ヘビィは?無事なのか?!。

(サソリ男「おい!山本たいきよけろォ!」

(俺「?!」

サソリ男のその言葉をきき、振り返ると、さっきまで扉の所で立っていたドントルがいきよいよく、こちらへ腕を構えて向かってくるじゃねぇか!。

(犬護長ドントル「避けてみろ!オレのラリアットぉ!」

はやい!。アリスやサソリ男以上だ。

(俺「くっ!」

ドッツ。

間一髪…いや避けられるはずもなく俺は不意打ちのラリアットをモロに食らってしまった。

(犬護長ドントル「おいおい。こんなもんか?セレン王子さんよ」

(俺「………」

チッ。俺が本当に獣人ならもっとすごいことができてもいいんだけどな。

(サソリ男「山本たいき。お前は獣人なんだ。本気をだせば攻撃を避けれるはずだ」

(大森シン「いや、無理だと思うけどな。たしかに、たいきは獣人だ。でも何十年も獣化をしていなかったのなら…脳が忘れてしまって"すぐ" にはできないだろうね。」

すぐ…にはか……。練習でもすればできんのか?まぁ、今そんなことする時間はない。どうする?


(サソリ男「だが。山本たいき、お前にはあるはずだ、強く残る"意志"が。"本能"が。お前自身が己が獣人であると思えば開花するはずだ。」

(俺「俺が…獣人。本能。」

サソリ男のいってることが正しいかなんかはどうでもいい。今、この状況をどうにかできることがあるとすればソレを実行しないわけにはいかない。

(犬護長ドントル「その意志、本能ってやらでどうにかできるのならやってみろ。さぁ!もう一度いくぞ。」

ダッ。

ドントルが態勢を立て直し、もう一度、さっきのラリアットを俺にカマそうと走り出す。

(俺「俺は…獣人。俺は…」

(犬護長ドントル「いくぞ」




刹那、俺の体に何かが…すばやく蠢くような…そんなものを感じる。

軽い力で全力をだせるような。

そんな感じがする。

そう、ただの思い込みかもしれない。

でも今は"やるしかない"。


グググ。


ドッツ。 


(犬護長ドントル「なっ!まじかよ」

(俺「うおっ!!」

俺が足に力を入れたと思ったら、俺は天井のすぐそばまで思いっきりジャンプをしていた。

ドントルのはるか上。

ラリアットをかわしていた。


(大森シン「そんなことが…」

(シャナ「たいきさん…」

だが…よけれても。制御が利かないようだ。

この力では避けるのが精一杯。


(犬護長ドントル「猫族ってのはこんなにジャンプ力高かったか?!。」

ドッ。

(犬護長ドントル「おっと。あぶねぇ。サソリ男、てめぇは毒針だけ注意しておけばなーんてことはねぇ。」

(サソリ男「ちっ」

俺を助けるためにサソリ男がドントルへ毒針を打とうとしたがそう上手くは行かず。

あっさりドントルに止められる。

(犬護長ドントル「さ、どうするよ?お前らこっから。」

どうすることも…サソリ男と協力してもドントルは倒せないだろう。見た感じだとドントルの強さはサソリ男の倍以上。


(俺「…俺たち2人だけじゃ無理だ。アリス!!!ヘビィ!!!無事なのかぁぁあ!」

(犬護長ドントル「?!うるせぇな。おい。」

さっきシンがドントルを呼んだように。今度は俺が仲間を呼ぶ。

アリスたちが無事ならば…。

タッタッタッ。

俺の声から3秒ほどで2人ほどの足音が。

(アリス「山本たいき!シャナは?!」

(俺「アリス!無事だったか!」

(地雷系ヘビィ「たっく…無事だったか?じゃないわよ。」

2人とも見るからに消耗している。怪我というケガはなさそうだが疲れが見えている。


(犬護長ドントル「…大森に呼ばれちまったからなぁ。トドメをさせなかった。」

(アリス「ドントル。二回戦目と…いくぞ」

(犬護長ドントル「おいおい。今度は山本たいきとサソリ男も参加か?たっく荷が重いぜ」

(大森シン「なら…あの二人を呼んじゃえば?」

(犬護長ドントル「おっ。そうだったな。アイツラがいたな。」

アイツラ?!。まさかここにきてまだ仲間がいるのか?!。あいつらってことは2人以上。

ここでまた敵が増えるのはまずい。


(俺「って…お前ら…」

そこに影を表したのは、またもや見たことのある顔。

(地雷系ヘビィ「どういうこと?。なんでアンタたちがそいつらん所にいんのよ!」


(ヘビ兄「それは姉貴のせいだろ!!!。」


(ヘビ弟「そうだよ…お姉ちゃんが悪いんだよ。」

ヘビィの実の弟たちがシン側へと渡っていた。

(大森シン「この2人はすぐ味方についてくれたよ。お姉さんのことに不満をもっていたようだけど」

たしかヘビィは兄弟がいねぇって言ってたな…。

まさかシンたちに誘われてたとは。

相手はよに…いや3人。シンは戦いなんてできないだろう。こっちも3人。俺は避けることしかできない。

ここは…俺がシンと。


(俺「俺はシンを。だから3人でドントルを…」

(地雷系ヘビィ「いや…私はバカ弟とやる。」

(ヘビ兄「姉貴…もういい加減疲れたんだよ!」


(地雷系ヘビィ「うっさいわね!また始めから躾けてやる!。」

(俺「…わかった。ヘビィはあの2人を。アリスとサソリ男は…」

(アリス「もちろん。わかっている。」

(サソリ男「あぁ。」


(犬護長ドントル「はっ。威勢のいい奴らだ。だが…威勢がいいだけじゃあやってけねぇぞ。大森。お前山本たいきに狙われるけどやれんのか?」

(大森シン「あぁ。ある程度は」


(俺「シン…もう話を付けよう。」

ここで確実にシンの考えを変えさせてやる。


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