シュートをキメろ!

 体育の時間、バスケの試合をしていた。


 相手チームのメンツ、運動部3名+現役バスケ部2名。

 対する私たちのチームは、私を含む文化部4名+水泳部1名+見学1名。


運動部チーム

「そっち文化部ばっかじゃん、ダイジョブそ〜?」

「圧勝したるわ!」


 運動部、陽キャ特有のテンションで煽る煽る。


 絶望的な状況で始まったこの試合。

 ……だったけど。


 終了2分前の時点で……なんと私たちが2点リード!(ほぼ水泳部の子のおかげ)


 自分たちの勝利を目前に、士気が爆発するチームメンバー。

 私はゴール付近で、バスケ部たちの周りをウロチョロしてディフェンスをしていた。


 すると、その時……遠くで相手チームに阻まれていた水泳部の子が口を開いた。


水泳部

「コチョタイーーーッ!」


コチョタイ

「ふぇ? ……おわっ?!」


 私は振り向くと同時に、勢いよく飛んできたボールを咄嗟にキャッチした。

 水泳部の子と一瞬目が合う。「お前がキメてくれ」と言っている……信頼と期待の眼差し。


コチョタイ

(……オッケー、任せといて)


 私はゴールの方向へ回れ右する。そして、シュートの体制に入り——


コチョタイ

文化部陰キャだって……運動部陽キャに勝てるんじゃぁあああッ!!)


 ——思い切り、シュートした。


運動部チーム

「……!!」


水泳部

「いったか……!?」


 まっすぐ飛んでいくボール。

 直後、それがバックボードにぶつかり、こちら側に跳ね返ってきた。


コチョタイ

「(・Д・)」


チームメンバー

「「「(゚Д゚) 」」」


水泳部

「……:(;゙゚'ω゚'):」


 数秒後、運動部チームにボールを取られ、そのまま3ポイントシュートをキメられた。

 必死にボールを奪いに行ったけど、そのままタイムアップ。


〜試合終了〜


コチョタイ

「……」


水泳部

「まぁ……こういうこともあるって、次回は頑張ろーよ」


 肩をポンポンしながら去っていく水泳部の子。

 ……ホントごめんね(;ω;)

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