第3章 テスラ共和国編
3-1.緑竜の集落に行ってみよう!
「おっ!?格闘技大会で活躍したちびっ子たちご一行じゃないか!ビオは楽しかったかい?また遊びにおいでね〜」
「ははは···。そうですね。また来ますよ」
格闘技大会の結果は門の審査官まで知ってたね。フーちゃんはかなり有名になっちゃって、ホテルでも、さらに道を歩いていても祝福の声をかけてもらえたよ。
『すごかったぞ!キミに賭けたおかげで大儲けさせてもらったよ!ありがとな!』
「おうえんありがと〜!フーもたのしかったよ〜!」
『どうやったらキミみたいに強くなれるの!?うちの子も強くなってほしいのよ!』
「とくいなことをさせたらいいよ〜!フーはてんいんさんもぶじゅつもだ〜いすき〜!」
『ハァハァ···。フーたんつお〜い!おぢさんと握手して!ハァハァ···』
「あれれ〜?うちのみせにまいにちくる、ちゅうもんしないおじさんみたいなひとがここにもいるね〜。めいわくかけちゃ、めっ!だよ〜!」
『ぐはっ!?わ、我が変態紳士人生に···、一片の悔い無し!!ぐふっ!!』
···そういえばナツのお店には出禁になってるストーカーが毎日来てるらしいね。フーちゃんにののしられるのが目的みたいで、いつもフーちゃんが追い返してるって言ってたけど···。今フーちゃんはこっちに来てるから、お店には来てないんじゃないかな?
まさか···、ここまでフーちゃんをストーキングしてたりしないよね?さすがにそれはないか!大陸が違うんだもんね。
さて、ボクたちの次の行先はテスラ共和国だ。ここからさらに西へ行ったところにあるんだよ。
話によると農業や酪農が盛んなところらしんだよね~。なんでも魔法で大規模農園をやってるらしいよ。いい技術ならちょっと見せてもらって、ヨウくんとエイルさんが経営している農場でも採用したらいいかもね!
ここへ向かう街道はかなり幅が広くとられていて、大きな荷馬車がそこそこ多く通りがかったよ。当然、積み荷は農産物だね。サバール王国もテスラ共和国から食料を輸入しているみたいだね。
確かにテスラ共和国がマクス帝国と戦争になっちゃったら、サバール王国は食糧難になってしまいかねないね。王様が懸念するのもわかるよ。
ちなみにマクス帝国は逆に工業系が発達しているらしい。そういう意味ではボルタニア大陸でいうとピムエム皇国に似ているのかもね。
一応、今日の宿泊先でパスさんに情報を流しておこう。万が一戦争になった時に人道支援ができるかもしれないからね。
ちなみに今日の宿泊先は緑竜の集落なんだよ。ナギちゃんが助けてほしいってこの前言ってたからね。いったいなにがあったのかわからないけど、とりあえず寄ってみようと思うんだよ。
ナギちゃんは先に集落に戻ってるんだ。道はちゃんと聞いておいて、スマホの地図アプリでピンを指しているから迷うことはないよ。あと、クロくんはビオの町でボクたちを待ってるそうだよ。王様から、しばらく滞在して何かあれば強力してほしいって事らしいよ。
「でもなー。緑竜が助けてほしいってどういうことだろうなー?」
「リオたちドラゴン族って最強でしょ?ボクも想像がつかないよ···」
「でも!たすけをもとめてるんだったらほっとけないぞ!ひーろーはこまってるひとをたすけるのがいちばんだぜ!」
「そうだね。アトラちゃんの言う通りだよ。ボクたちでできることがあったら助けてあげようね」
そうして街道を進んでいくと、右側に湖が見えてほとりにやって来た。ここからテスラ共和国に行くには左に曲がって湖を離れる道なんだけど、緑竜の集落はこのまま湖のほとり沿いを歩いていけばいいらしいね。
ナギちゃんの言う通りに歩いていくと···、湖岸で何やら作業をしている緑竜を発見したよ!
「おっ!どうやら着いたみたいだな」
「そうだね、レオ。あれは···、漁···、かな?」
「そうっぽいわね。青竜だと上空から魔獣を発見して狩るんだけどね」
「ナナのところはそういうやり方だけど、ここでは網を使ってるようだね。ちょっと話を聞いてみようかな?すいませ~ん!」
ボクが大声で呼びかけると、向こうも気づいてくれたよ。大きく手を振ってるね。じゃあ、第一緑竜さんに話を聞いてみようか!
「やあ、旅人さんかな?見たことのないドラゴン族もいるね。もしかして道に迷ったのかい?」
「こんにちは。ボクたちはナギちゃんからここの集落に寄ってほしいってお願いされてやってきたんですよ」
「ナギが?···あ~、もしかして、あの件で助けを求めたのかな?」
「あの件···、と言いますと?」
「まぁ、オレが話すより長に聞いたほうが早いだろうな。ちょっと待ってろ。この網を片付けたら案内するからさ」
「わかりました。ここでは何が獲れるのですか?」
「もちろん魔獣だよ」
「えっ?こんな小さいのが···、ですか?」
「大きさで判断しちゃ痛い目にあうぞ?こいつは凶暴でな。オレたちドラゴン族の強靭な体じゃないと、腕や足を食いちぎられちまうぞ」
「ひぇ~!まるでアマゾンにいるピラニアみたいですね···」
「ぴらにあってのは知らんが、まぁ、こいつらを駆除するのが緑竜の主な仕事なんだよなぁ~。ちなみになかなかおいしいんだぞ!泳ぐのも速いし噛みつく力も強いから身が引き締まっててな。身体強化魔法を使わないと噛み切れないぐらい、歯ごたえ抜群なんだ」
「···それって人族だったら食べられないですよ?」
「でも買っていく行商人はいるぞ?珍味らしいけどな」
···人間ってどこの世界でも何でも食べちゃうもんなんだなぁ~。そんな事を考えていたらフーちゃんが食いついた!!
「おじさ~ん!そのまじゅーっておいくらまんジールするの~?」
「えっ?値段かい?悪いがオレは商人じゃないんでな。詳しいのは長だから、後で聞いてみたらどうだ?」
「わかった~!うってるってことはりょうもおおいの~?」
「倉庫に干物がかなりあるな。まぁ、獲れたてなら生でもいけるしな」
「じゃあ、いまおじさんがとった『とれたてぴちぴちな』まじゅーをフーにうって~!」
「これをかい?ははは!ありがとな!長が了承したら売るぜ!」
「ありがと~!『りょーしゅーしょ』っておささんはくれるかなぁ~?」
「···どうだろうなぁ~?」
フーちゃん···。ちゃっかりしてるわ···。商人の才能もありそうだよね?ってか『とれとれぴちぴち』って···。某カニ料理屋さんのCMじゃない?どこで知ったんだろう···?
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