2-14.黒竜の少年と緑竜の少女
グロー歴523年8月13日 晴れ
おはよう!今日は暑くなりそうだなぁ〜。雲一つない快晴だよ。
今日は準々決勝まで試合があるんだ。次の2回戦を勝つと今日は2回試合をすることになるんだ。
昨日、ナナは優勝目指せって言ってたけど、果たしてどうなるかなぁ〜?
朝食バイキングを孫たちはたらふく食べて、会場に向かった。会場に着くと、賭けのカウンターではやたら盛り上がってたんだよ···。何かあったのかな?
「おいおい···、あの獣人の女の子のオッズってどうなってんだよ?」
「1.3倍ですって!?どれだけ賭けてる奴がいるのよ!?」
「いや、大金を賭けたのかもしれないぞ?とんでもねえわ。ちびっ子に賭けるなんて正気じゃないな。バカなのか博打好きなんだなぁ〜」
「ちょっと信じられないわ···。わたしは対戦相手に賭けとこ〜っと!」
「でも昨日の戦いは良かったぞ!ああいうのをカッコ可愛いって言うんだろうなぁ〜。オレは獣人の女の子に賭けるぜ!」
···フーちゃんに大金が賭けられてるのか。昨日と同じだなぁ〜。誰だろ?祖父としては嬉しいんだけどね。
「さて、今日の試合も頑張ってね。決して無理しちゃダメだからね」
「「「「はーーい!!」」」」
孫たちは控室に向かった。ボクたちは今日は関係者席からの観戦だ。
今日もまずはフーの試合からだね〜!控室に行くと人が少なかったよ。16人しかいないもんね。みんな強そうだよ〜!楽しみだね〜!
とりあえず4人席が空いてたからそこに座ったんだ。すると、黒竜の男の子に声をかけられたよ。
「よお。あんたら、ここの人じゃねーな?赤竜に···、金竜か?初めて見たぜ」
「そうよ。あたしたちはひがしのボルタニアたいりくってところからりょこうできたのよ」
「あたいたちはいとこなんだぜ!こっちはともだちだぜ!」
「へぇ~。大陸渡るなんて、金持ちなんだな」
「おかねはじーじたちがもってるけど、あたしたちはじーじにのってきたのよ。ふねじゃないわよ」
「なんだって!?飛行魔法で来れるわけないだろ!」
「じーちゃんやうちのパパたちには『こうそくひこうまほう』ってとっておきのまほうがあるんだぜ!それできたぞ。あたいももうすこししたらくんれんするぜ!」
「そんな魔法が世の中にあるのか···。おもしれえ!俺が勝ったら乗せてボルタニア大陸に連れて行け!」
「あ〜···、そのやくそくはできないわよ。じーじにきかないと···。でもいいっていってくれるとおもうわよ」
「そうか!ならお前らに当たったらコテンパンにしてやるからな!覚悟しとけよ!」
黒竜の少年は離れて行っちゃったね。あっ!?自己紹介してなかったよ〜!名前聞いてなかったね。まぁいいか。あとでわかるだろうしね。
そしたら次に緑竜の女の子がこっちに来たんだ〜。
「こ、こんにちは···。あの···、初めて見るドラゴン族の方なので···、お話してもいいですか···?」
「いいわよ〜!あたしはせきりゅうのルメよ!」
「あたいはきんりゅうのアトラだぜ!」
「おれはモンドだぜ!」
「フーだよ〜!」
「わ、わたしは···、ナギって言います···」
「ナギちゃんってりょくりゅうだよね?このあたりにしゅうらくがあるの?」
「はい···、ルメさん。この国の湖の西に広がる森に集落があるんです···」
「へぇ~。あたしたちはボルタニアたいりくからりょこうできてるの。よかったらよらせてもらってもいいかしら?」
「え、ええ···。大丈夫···、だと思います···」
「そう。じゃああんないしてもらえるとうれしいんだけど···」
「いいですよ···。わたしも···、他のドラゴン族ってよく知らないので···」
「じゃあきまりね!ここでまっててくれたらいいわよ!たのしみにしてるね〜!」
「は、はい···。そうそう···、試合で対戦することになったら···、よろしくお願いしますね···」
「そうね!よろしくね〜!」
おぉ~!ここ出たら緑竜の集落に行く事が決まっちゃったね〜!そう言えばリオじーじとナナまーまの集落には行ったことないなぁ〜。どんなところなんだろうね〜?
「それでは第2回戦を始めま〜す!」
「おっ!?いよいよだな!フー!がんばれよ〜!」
「うん!ありがと、モンドくん!」
さ〜て!フーの試合が始まるよ〜!今回も勝つよ〜!
そしてフーはリングに上がった。相手は剣と弓を持ってるよ〜。ケンおじさんと一緒だね〜。さ〜て、どうしようかな〜?
「キミがオッズで一番人気の子だね。人気があるところ悪いが、勝たせてもらうぞ!」
「おっず···?よくわかんないけど、よろしくおねがいしま〜す!」
「それでは2回戦第1試合、始め!」
開始の合図があると、相手さんはバックステップで後方に下がって弓を構えたよ。弓で攻撃して近づいたら剣で攻撃って事かな〜?あとはず〜っと狙ってフーの動きを止めようとしてるのかも〜?
ま、どっちでもいっか!当たらなきゃいいんだもんね〜。フーはゆっくりと相手さんに真正面から近づいていくよ〜!
「ただ強いだけで頭はお子さまのままだな。なんの作戦もないと見た!これで決める!!」
相手さんが矢を放った!フーの頭を狙ってるね。でも···、甘い!
バシッ!!
「なんだとぉ!?」
「これぐらいのはやさならつかまえちゃうよ〜!」
ふっふっふ〜!フーは放たれた矢を右手で掴んで止めちゃったのだ!この矢、よ〜く見ると先が丸いゴムっぽい柔らかなものだったよ。でも当たると痛そうだね〜。
さ〜て、次はどうしようかな?
「バケモノかよ!?なら、次はこれならどうだ!」
むぅ~!フーはバケモノじゃないよ!···嫌なこと思い出しちゃった。···ちょっと気分悪いから早めに終わらせちゃおう!
相手さんはまた弓を構えて矢を撃ってきた。今度は本数が多いね。しかも···、矢に魔法が込められてる?ちょっとは楽しめそうかな?
放たれた矢は5本。しかもまっすぐ飛んでこないで変な方向に飛んだりしてるね。でも、最後にはフーに当たるんでしょ?ならなんとでもなるよ。
「えあかーてん」
フーの周囲に風の幕を作って矢を弾いてあげた。すると、矢はまたフーに向かって飛んできたよ。しつこいなぁ〜!
その間に相手さんが剣でフーに攻撃をしようとして向かってきた!手数で攻めるって事だね!じゃあ、フーも同じことさせてもらうよ〜!
「ぶんしんのじゅつ、きわみ」
「なあっ!?4人になっただと!?」
「「「「そうだよ〜!じゃあ、これで決めるね〜!」」」」
フーの分身が矢を剣で叩き落とすと、矢が爆発した。アトラちゃんの技みたいだね〜。そして本体のフーが相手さんの懐に入り込んで···、
「ひぎ、もみじ!」
「なっ!?げふぅっ!!」
相手さんはフーの技で吹っ飛んじゃったね〜。気絶しちゃったから···、
「そこまで!!」
「ありがとうございました〜!」
「「「「わーーーー!!」」」」
すっご~い声援だよ〜!こんなに大勢応援してくれて嬉しいね〜!
ハァハァ···!ヤッターーーー!!!フーたんが勝ったどーー!!
やっぱりフーたんはイイ!!強くてカワイイ!そして!ののしり方が最高なのだよ!ここの連中は強さしか目に入ってないだろうが、フーたんの真の魅力はそこではないのだよ!!あの!ののしり方が真の魅力なのだよ!!
強さなんて飾りですよ!偉い人でもわからんのだろうがな!
おっとイカンイカン···。熱くなりすぎてしまったな!では次のフーたんの試合に全財産を賭けに行くのだ!!
「あっ!?も、もしかして···、今回も?」
「ハァハァ···。そ、その通りだ!次のフーたんに全財産賭けるぞーー!!」
「お、お客さま···。ちょっとお待ちいただけますかぁ?」
「なにを待たせるのだ!?早く手続きをしてくれたまえ!フーた〜ん!!」
すると、ボクチンの両脇を後ろから警備員が抱えてきた!!
「な、なんだ!?な、なにをするきさまらーー!?」
「···あなたには八百長疑惑がありますので、別室でお話を伺わせていただきます。ご同行願いますよ?」
「同行もなにも身動きとれんではないかーー!?
「はいはい。文句は『VIPルーム』でゆ〜っくりと聞きますからね〜」
なぜだ!?なぜボクチンが連行されるのだ!?なにもやましいことはしてないぞ!?フーたんを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます