ボンゴレパスタ
「ちなみにアレルギーってないよね?」
「大丈夫だよ」
アレルギーはないが、苦手なものはあるが……今は言わないでおこう。
俺もジッと黙って見ているのは嫌だったので、手伝おうと思った。
「白石さん、俺も何か手伝うよ!」
くすくすと笑いながら答えた。
「この場所見てよ。人一人分がいるので精一杯だよ。萩原君みたいな大きい男の子と私と二人並んで調理する方が危ないよ」
「確かに、そうかも……。なら食器洗いだけは任せてくれ!」
「うん。任せたよ!」
そう言って、白石さんはエプロンをして狭い厨房でテキパキと調理器具と食材を出した。
パスタの麺を出してたので、今日の夕食はパスタのようだ。
(質素とは言ってたけど、そこまで質素じゃないような気もするんだけど……)
パスタを茹で貝に味を染み渡らせる。そして俺は見たことのない野菜を細切りにしてパスタに重ねていた。
「出来たよ!」
そう言って白石さんが出した料理は、ボンゴレパスタと野菜だった。
「お~美味しそう。コンビニ以外で食べるパスタとか何年ぶりだろ……」
「「いただきます」」
俺はあまりのおいしさに黙々と食べた。
気を使ってくれたのか、俺のパスタは、白石さんの量より2倍くらいあった。
****
「……はー、うまかった」
相変わらず、白石さんの料理はうまかった。
「お粗末様でした。凄い食べっぷりだったね。でも、足りなかったりしない?」
白石さんは申し訳なさそうな顔をして尋ねてきた。
「え……そんな事ないけど。どうして?」
「えっと……ほら私、男の人とヤった後に、かなりの頻度で料理作らされてたんだ。しかも、リクエストとかも色々あってさ。その時に出していた品数は、もう何品か多かったから……」
俺は理解した。
恐らく今までの男達が白石さんの料理が美味しくて、沢山食べるから要求する品数の量も多かったのだろう。
「それ…多分、白石さんの出す料理が美味しかったからだと思うよ。普通の男だったら、これに数品増やされて毎日食べてたら、ブクブク太っちゃうよ」
くすくすと可愛らしく笑いながらも言った。
「確かに殆ど太ってたかも。お願いなんだけど、平日会うときだけでも夕食は私と一緒に食べてくれない?」
白石さんから意外な提案が来て、俺は目を見開いていた。
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