第5話 初めての試練

シーン1:初めての政務


不比等(加藤清史郎)は、持統天皇(天海祐希)の信頼を得たことで、ついに宮中での重要な政務を任されることになった。今回の任務は、朝廷と地方豪族との対話を図り、反発している地方勢力との関係を修復すること。朝廷の新しい支配体制に対し不安や反感を抱く地方豪族たちの心をつかむことができれば、持統天皇の体制もさらに強固なものとなる。


持統天皇:「不比等、あなたはまだ若いが、それゆえに見えるものもあるでしょう。地方の人々が何を望んでいるか、よく考え、彼らと話し合いなさい」


持統天皇の言葉に胸を打たれた不比等は、やや不安ながらも意気揚々と任地へと向かう。だが彼は、そこに隠された思惑と、初めての本格的な試練が待ち受けていることを知らない。



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シーン2:地方豪族・橘古麻呂との出会い


不比等が向かったのは、飛鳥地方の要地を支配する豪族・橘古麻呂(國村隼)の居館。不比等は古麻呂に対し、朝廷への協力と理解を求めるが、古麻呂は朝廷の方針に不満を抱き、なかなか交渉に応じようとはしなかった。


橘古麻呂:「若い者よ、あなたはまだ何もわかっていない。都の者たちは我々の苦労も知らずに、ただ支配しようとするだけだ」


不比等は、古麻呂の言葉の背後にある地方の不安や不信感に気づき、都の政策がどれほど地方の人々に影響を与えているかを改めて感じる。古麻呂の協力を得るためには、ただ強引に説得するだけでは足りないことを悟る。



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シーン3:不比等の決断


翌日、不比等は古麻呂を再び訪れ、今度は朝廷の政策を一方的に押し付けるのではなく、地方の人々の声に耳を傾けることを約束する。さらに、不比等は自らの実力を示すことで、古麻呂に信頼を持たせようと考えた。


彼は橘古麻呂の屋敷で行われた武芸の試合に参加し、武術にも優れていることを示すことで、単なる宮中の使者ではないことを証明した。


不比等:「私は宮中での務めだけではなく、国全体のことを真に理解しようとしています。あなたの協力があれば、共に未来を築いていけると信じています」


不比等の誠実さと決意を感じた古麻呂は、やがて彼の説得に応じ、朝廷への協力を約束する。



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シーン4:陰謀の影


不比等が古麻呂の協力を得たことが都に伝わると、宮中では不比等の影響力が増していく。しかし、それを快く思わない者も現れ始める。特に、大臣の中には、不比等が自分たちの地位を脅かす存在になるのではと警戒する者もいた。


そんな中、不比等は一通の匿名の文を受け取る。その文には、持統天皇に対する反乱の兆しと、次の任務で暗殺計画があることが書かれていた。不比等はその情報に対して疑念を抱きつつも、慎重に行動することを決意する。



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シーン5:初めての裏切りと試練


ある日、不比等が次の任地へ向かう途中、突然武装した者たちに襲撃される。不比等はその場で逃げることができず、必死に戦いながらも苦しい状況に陥る。しかし、そこに助けに現れたのは、高市皇子(松坂桃李)だった。彼は不比等の危機を察し、急ぎ駆けつけてくれたのだ。


高市皇子:「不比等、あなたがいなくなっては、私もこの国も困るんだ。生き抜くんだ」


不比等は高市皇子の助けによって辛くも逃れ、自らの命を狙った者たちが誰の指示を受けているのかを疑い始める。初めての裏切りの兆しに戸惑いながらも、不比等は、今後自らがどのような道を進むべきかを再び問い直す。



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次回予告


第4話では、不比等が都に戻り、持統天皇に対する陰謀に立ち向かうため、さらに力をつける決意を固める。彼は宮中の権力争いに巻き込まれながらも、やがて藤原家の名を確立するための第一歩を踏み出す。


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