病みとの決別

あれから数ヶ月、奏斗とはビデオ通話で話している。

奏斗は心理系の学部を目指し勉強していてそう簡単に会えなくなったからだ。

「なぁ、ゆい」

「…?」

そういえば奏斗と再会してからSNSの病みアカウントは一切開いていない。

だからそのアカウントでの名前などほぼ忘れていた。

「もう半年以上放置しているんだったら削除して病みアカウントとしての自分とは決別したらどうだ?」


そうだよね。

いっぱいの愛を受け取って、【正しい愛され方】を取り戻したんだから。

「うん!消して昔の自分とは決別する!」

「えらいえらい。本当なら直接会っていっぱい撫でてあげたいんだよなぁ」

「えへへ…嬉しい」

すると恥ずかしそうに奏斗が

「ゆい…改め、結子、大人になったら結婚しよう」と照れくさそうに言う。

「…いいの?」

「あぁ、遠い昔約束しただろ?【お嫁さんになる!】って」

「実現できたら嬉しいね…!」


遠い日の約束を果たすために、頑張りたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る