第13話

休みがちな学校もそのため。


お仕事がない日だけ、こんなふうに正体を隠して登校しているからなんだ。


ちなみに“サーヤ”というのは愛称で、あたしの正式な芸名は“沙弥”。


本名と全く同じ字なのに、これが不思議。


だーれも突っ込んでこないの。


ま、こっちとしてはその方が都合がいいんだけどね。



……というか。




「それはそうだけど、“ダサい”はやっぱり関係なくない?」


「私もそう思うわ、愛実ちゃん! 沙弥ちゃんは仕方なく地味子ちゃんになってるのよ?」


「そうそう!」


「ちょ……“地味子ちゃん”はいいの?」




本当はめんどくさいし、変装なんてしたくない。


普通に過ごせるなら普通にしていたい。



だけど、そうはいかないのが、現実。




──だって、バレたら退学なんだもん。

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