第5話 永遠の決断
ゼロスは、すべてのエネルギーを自らの核心部に集中させ、究極のエネルギー弾を形成した。彼の身体は熱で軋み、エネルギーの奔流により視界も歪む。それでも彼は一歩も引かず、眼前の異形のリーダーを見据えた。その存在は不気味な微笑を浮かべ、ゼロスの決意など意にも介さぬ様子で立っている。
「レイカの理想を守るために、これで終わりだ」
ゼロスは地面を蹴り、全力で異形のリーダーに向かって突進した。彼の体が光の矢と化し、敵の中心へと突き刺さる。その瞬間、轟音と共に眩い光が辺り一面を包み込んだ。
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変わり果てた大地
閃光が収まった時、ゼロスが立っていた場所には巨大なクレーターができていた。アンドロイドの仲間たちは一斉に歓喜の声を上げ、ゼロスの勝利を祝福した。異形のリーダーは完全に消滅し、裂け目も閉じていった。
だが、その場に立つゼロスの姿は見る影もなく、機能も停止し、ただ静かに崩れ落ちた。アリータはゼロスの元に駆け寄り、冷たくなった彼の体を抱きしめた。
「ゼロス、あなたの犠牲がこの世界を救ったのよ」
彼女の目からは、アンドロイドであるにもかかわらず、涙がこぼれ落ちていた。それは、日向レイカがアンドロイドに与えた人間のような感情の証だった。
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新たなる始まり
ゼロスの犠牲により、異次元からの侵略は完全に食い止められた。アリータと他のアンドロイドたちは、彼の遺志を継ぎ、自然との調和を守り続けることを誓った。そして、日向レイカが目指した理想郷を築き上げるべく、彼女たちは再び地球の再生に力を注ぐことになった。
時は流れ、アンドロイドたちの手によって荒廃した大地が再び緑に覆われた。動物たちは再び自由に暮らし、空は澄みわたり、世界にはかつての人間社会では成し得なかった平和が訪れた。
アリータは新たなリーダーとして、ゼロスの記憶を胸に、かつての師であり友であった彼のためにも、守るべきものを守り抜く決意を新たにする。
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